幸せになってみませんか?(CD) * 腰乃
これ私、感想書くタイミングが悪くて書いてなかったんですけど、すーっごく良かったと思ったんです。
今日も時間ないんだけど、どうしても今年中にこれの感想書いときたいと思って、あんまり詳しく聞きながら感想書いたりもできないんで
嘘みたいな話ですが(CD) * 腰乃
腰乃さんの話の中で一番好きな原作がCDになるというのでもう、待ち遠しくて待ち遠しくて、すっごく楽しみにして購入したCDだったのです。
しかし正直、とにかく視聴聞いた時から二人の声が似てるのと、二人とも何となくキャラじゃないな…と思ったのとで、実はそんなに期待してなかったんですよね。いや、野島裕史さんだいっすきなんですけど、それとこれとは別の話で。
でも、聞くとやっぱり楽しかったな、腰乃さんの原作ってCDになると本当に楽しいですよね、これまでのもそうだったけど。
私はやっぱりこれまで聞いた腰乃さんでは、『鮫笹』と、『幸せになってみませんか?』がCD的に凄くよかったと思ったんですね。部活の後輩も隣のも楽しかったですけど…って全部じゃん。まあ、全部よかったと思ったんですけど、それらを超えるものではなかったなあ…。
なんでだろう?原作好きすぎたからかなあ?
なんと言うか、北川の台詞がもう…クサくて…。
こんなクサいというか、こんな作ったみたいだったかなあと思って、凄く意外だったんですよね。
原作読んだ時点では全然そんな風に思わなかった…って言ったらちょっとうそかな、やっぱ腰乃作品のあの、"分かったような顔をした男たち"の台詞って、どこか不自然ではありますもんね。腰乃節全開で。
その腰乃節、すっごく面白い時もあるんだけど、今回は浮いてたなあ…。
なんか凄く恥ずかしくて、何度聞いてもなれないんだよね、例えば最初のシーン、酔ったふりして中村を誘う北川の台詞、「毎日毎日好き好きオーラ垂れ流して〜………骨抜きだ」みたいな台詞がさ、すっごくキザく聞こえるんですよ。冷めて割り切った男前の仮面を被ろうとしているオタク。…って感じがするんですよ〜…。マンガの北川さんは男前だったのに、CDの北川さんは男前っていうより、カッコつけたがりみたいだったの…。
は!野島さんの所為?
いや、私は過去、一度として彼の演技に疑問を持った事はないのできっと野島さんの所為ではない!
まあ最初の方はそうなんだけどね、でもどんどん北川さんが面白くなっていくので、後半になるにつれて聞き応えがあります、北川さんがテンパるシーンが増えてきて、カーッとなってぎゃーって叫ぶところでは、今まで聞いた事のない野島さんの怒鳴り声が聞けて意外というか、こういう声で怒鳴るんだ!?みたいな発見もあってよかった。
「これ以上俺の身体に変な事仕込むんじゃねえよっ」って台詞が凄い好きでしたよ、新鮮。しまいにゃ泣くぞっ…も、新鮮だった〜。
んで、何がいいって、中村役の方。
この人凄い、凄いよかった!はじめ声聞いた時は合わないって思ってたのに、もうあんまりにも真に迫ったアブノーマルぶりで、声云々じゃなくなった。滅茶苦茶よかった!
私、マンガ読んでるときって、中村の事、そんなに変態って思ってなくって、ただ好き過ぎるだけ…って思ってたんですよね。
でもこの方の演技を聞いてたら、中村は同情する余地なく変態に聞こえて、もう北川さんが可哀想に思えてしょうがなかったんですよ。理不尽な事されてばっかの気がして。中村が今どこに執着してて、心が落ちて上がって逃げてまた落ちて上がって……と動くのを、声の調子だけで表現してるんですよね。まさに中村が生きてたよ。この中村の演技のお陰で、このCDすっごく楽しいものになってると思う。
後はとにかく全体的にずーっといたしているので、アンアン言ってばっかり…って思ってやっと気付いた、原作もそうだって事に…。
とにかくエロいシーンが多い。エロいと感じるかどうかは…うーん、まあまあでしょうかね、私的には。もう、何を持ってエロいとするのかすらよく分からないですけども…。
まあ、最高!とまでは言えないんですけど、楽しいCDではありました。
で、私が買ったのは嘘みたいなセットっていう、色々オマケがついてるセットだったんですけども、このボールペンとね、付箋紙がね、ほんっとうにどこに仕舞ったらいいのか分からなくて困っております。だってよりにもにもよって、亀甲縛りボールペンなんですよ??家人に見られたらどうしたらいいのですか!
夢が叶う12月(新装版) * 山田ユギ
ユギさん久しぶりのコミックスですね〜。
って言っても新装版なんで、元々は古いコミックスですけども、ユギさんが今出される一冊には意味があると思います。謹んで購入させて頂きました〜。
まず新しいこの表紙、すっごくいいですよね??
2011年ベスト表紙特集!! ← ここにも入れましたが、物語がはみ出ているような、クリスマスソングが聞こえてきそうな、なんとも鮮やかでラブくて楽しい表紙!すばらしい!ユギさんのこれまで描かれた表紙の中でも、かなり上位に好きな表紙です。
で、タイトル。前から思ってるけど、この『夢が叶う12月』っていう言葉、凄くいいと思いませんか?
ユギさんは印象的なタイトルたくさんあるんですけど、この『夢が叶う12月』は相当好きです。
他にも『小さなガラスの空』とか『漂流ときりきり舞い』とか『やらしい昼下がり』とか『冷蔵庫の中はからっぽ』とか、凄く好きなタイトルたくさんある。タイトルセンスも凄くいい方だな〜って思います。
で、今回は新装版に当たって書き下ろしも結構入ってるんですよ〜。内容はそれぞれの話のその後みたいので、これはすーっごい嬉しかった!
本編の感想はこっちに書いてるんでよかったらどうぞ→ 夢が叶う12月 * 山田ユギ
ついでにユギさんの好きな作品ランキングというのもあります。ユギさんへの私の愛をこれでもかとあげつらっております。ユギさんがいなかったら、今のBLはなかったんじゃないか、とさえ思っている私。少なくとも私本人は、BLを読み続ける事はなかったかもしれないと思います。いずれ戻ってくるにしてもね。
↓
ユギ作品をランキングする。
では以下、書き下ろし部分を中心にネタバレ感想です。
僕らのハートスロープ * 平喜多ゆや
すっっっっごくよかった〜〜〜〜!
な…なんなのこれ…可愛い…愛らしい…愛しい。愛愛愛!!愛!!
はー…もう、きゅんっとしたなあ…。可愛くって可愛くって…可愛いって言葉じゃ全然足りないんですけども、いかんせんそれしか言いようがないよ。
とにかく、いじらしかったんです。平喜多さんいっつもそうなんだけど、高校生の男の子の素直で柔らかい心の動きが本当にいじらしくてね、あまりに優しくて純粋で綺麗で可愛らしい心に触れて、私の胸までふるふる震えた。この子たちの心のふるえに感動して。
ああ…平喜多さん凄いよ…。いつもいつも凄い。この暖かい感性、そうそう転がってないよね。
子供たちもまんまと可愛いんですけどもね、これはもう、あまりに可愛いすぎて既にあざとさまで感じてしまったほど…。といいつつ、当然ながらまんまとやられてしまって、苦しくてしょうがなかったです。あまりに可愛いものを見るともう私、苦しいんです…。
でもこの双子とさ、彼らを必死に育てようとしてる実椰を見てるともう、何とも言えないいじらしさを感じてさ、ほんっともう、ダメだ、また撃たれた。弾丸に…。
内容は高校生の子と、その子の友達の暖かい家族の話なんです。高校生同士のラブが中心なんですけど、家族も重要な役割で出てきて、なんだかとても暖かく初心できゅんとくる恋愛の話です。純情です。
以下ネタばれます。
Nobody Knows(新装版) * SHOOWA
結局買っちゃいました…。同じの二冊買う余裕はないんですけどもね…ほんと最近新装版は悉く諦めてるんですよ、色々諸々余裕がないのでしょうがないです。
けど、買っちゃった…。
書き下ろしもどうしても読みたかったし、表紙もステキだったしさ〜…。
でも買った以上後悔はしない!買ってよかった!
これはSHOOWAさんのデビューコミックスの新装版ですね。
旧版と感想はこちら→ Nobody Knows * SHOOWA
あんまり感想書いてないんですけど、何が何やら分からぬまでも概ね好きだったんでしょうね、この短い感想を見るに。しかし、何の前情報もなくこの一冊を買った当時の私、何が決め手だったんでしょうね?
この間拍手コメントで、一体何を決め手にしてコミックスを購入しているのか、と質問して頂いたんですけども…なんでしょう?まあでも、普通に絵でしょうね〜。表紙の雰囲気と、絵ですね。私あんまり煌びやかな絵が好みじゃないんですよ、人気どころのマンガ家さんとかイラストレーターさんとかいらっしゃいますが、絵だけで言うと、ほんと、背景にびら〜〜〜っと花がしょってあるようなイラストがあんまり好みじゃないので、まず目がいかないんですよ、スルーしちゃう。
この間 2012年ベスト表紙特集!! ←ここに上げましたけども、こういう雰囲気の表紙が好きなんですね。なので、表紙のデザインでかなり本を選んでます。あらすじあんまり頭に入ってこなくて、よっぽど年下受は買わないんですけども、それ以外の事は本当に読んでも理解できないんです私。なのでもうあんまり読まない。そんで帯情報には踊らされます…。
後はまあ、勘です。SHOOWAさんなんてまさに勘だったと思います。勘しかないです、だってあらすじ、よくわかんないですもん。
だってこれですよ。↓
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めっちゃ雰囲気あるでしょ?インパクトですよ。なんだかこう、ズガンとやられそうじゃないですか。
ズガンとやられそうな予感に期待して購入しておるのです。
SHOOWAさんは大当たりだったわけですが。当時の帯もね、今見たら『業界騒然!』とかかなり煽ってあった。ま、要するに煽られたんですな。
えーと何の話してたんだっけ。
あ、だから、知らない作家さんの本の選び方の話だっけ…。
とにかく、SHOOWAさんをよく選び取ったなあ、私。…ってことでした。
で、旧版との違いはね、亀がなかったことです。
亀の話ね、不条理もいいとこ不条理なんですが、なんか凄く理不尽さも感じて、やるせない気持ちになるんだよね…。なんかもやもやするんだよね。
亀はじゃあ次の新装版に入るのかな。入ったらぜひ読んでください、亀。私初めて読んだ時、一体これは何なんだ…??となりましたから…。でもなんか、エロいんですけども。
で、亀がない分、ススムとモドルの話の後編が一緒に入ってるんですよ。旧版は一話目だけだったんですね。後半は NON Tea Room * SHOOWA に入ってました。
これが一緒になってるのには意義がありますよね〜。絶対一緒に読むべき話だもんな。
一話目だけ読むと、ちょっと切ないポエムで終わっちゃう感じがするんですよ。実際当時はしたんですよ。でも後編が出た事により、このお話がしっかり核を持ってSF恋愛ストーリーとして成り立ったんじゃないかな、と…私はそう思っています。やっぱり続けて読んでなんぼだと思います。
で、久々に読んだらやっぱりすごい泣いた…。
SHOOWAさんって不思議で…たぶん私が構えすぎていて、ちょっと離れると何故か凄く個性的で分かりにくい、冷めた物語を書く…というように思ってしまう節があるんですけど、実際近寄って触れてみる、実際読んでみると、何と情熱的な恋愛話を描かれるんですよね、だからいつも、SHOOWAってこんなに熱かったっけ、こんなに切なかったっけ…と、自分で驚くんですよ。何故ちょっと読まないでいるだけで、遠い存在になてしまうのかなあ。
やっぱり亀のイメージが強すぎるのか…?何年たっても?
いや、何を書いても亀を持ってる作家さんなんですよね。どんなに情熱的なラブストーリーを書かれたとしても、SHOOWAさんの根底には、亀や、いつぞやの天使モノや、ジンと猫〜…みたいな、ああいう世界観が流れていて、それが強烈に滲み出してんだと思う。
そしてその滲み出した亀や天使…これがSHOOWAさんの強烈な個性で、強烈な魅力なんだと思うわ〜。
後はテル!書き下ろしが私の大好きなテルの話でした〜!
焼き鳥屋のテルです。あの話いいですよね、大好きです!
では以下ネタバレしつつもう少し感想です。
恋心は猫をも濡らす * 夏水りつ
きたー!!とうとう弟編!!読むのがすっごく遅くなっちゃったけど、これすーっごい読みたかったんですよ〜!やっと読みました!面白かった!勝頼編には毎回毎回大泣きしちゃうのですが、今回も大号泣してしまった…。だって…健気で!!いじらしくって!!可愛くって…!!!私は健気でいじらしい受の言動を見るともう、内臓に直撃の激しいきゅんがきまして、もはやこのキュンはキュンなどという生易しいものではなくて、ずがんと打ち抜かれる弾丸であります。弾丸に打ち抜かれた心は痛いのです。痛くて痛くて涙が出てしまう…。
勝頼の涙は弾丸だよ…。勝頼が泣くたびに一緒に泣いてしまったよ。
以下ネタばれます。
きみが恋に乱れる 1 * 高永ひなこ
これも漸く手に入れました〜!はー早く読みたかった漸く読んだ!
これも結構長く続いてるシリーズですよね、いっぱいありすぎてもう、きみが恋にどうなったのかこんがらがってますよ、陣内と礼一郎さんは恋にどうなったんでしょうね、溺れたり落ちたりしてますよね。
きみが恋に溺れる 3 * 高永ひなこ
きみが恋に溺れる2 * 高永ひなこ
きみが恋に溺れる * 高永ひなこ
溺れてました…。
これはそんな恋に溺れた陣内と礼一郎さんの話のスピンオフですね。今回の話の鬼島さんっていうのは陣内に片想いしてた当て馬さんです。が、当て馬、と言ってしまうのは実は凄く抵抗があって、だってキャラどうでもいいみたいじゃないですか?言いやすいのでよく使っちゃう言葉なんですけども…。
私鬼島さん好きだったんですよね。凄くカッコよかったんです。
陣内って奴はちょっと性格に難アリでですね、そんなとこも愛しかったんですけど、でもなんつうかな物凄く言動が自己中でさ、礼一郎さんも鬼島さんもいっぱい傷つけたと思うんですよ。
でも鬼島さんはそんな陣内を本気でずっと好きだった。気持ちを打ち明けても全然相手にしてもらえなくて、ただ真面目に仕事してるだけなのに陣内にいちいち嫌われて、本当にかわいそうな人だったんですよ〜。あんなにカッコイイのに!
そんな鬼島さんが今回主人公ってことで、どっかにも書きましたが、そんなカッコいい鬼島さんだからこそ、次の話で受になったら面白いなあ…なんて淡い期待を抱いていたのですが、やっぱり鬼島さんは攻の中の攻だった…。
でもいい!!なぜなら相手がいいから!!
真面目で健気でびくびくしてる眼鏡…超好みなんですけど。鬼島さんよりも年下だろうけども、すっごく好みな受でした。
お話も面白かったー!!
では以下ネタばれます。
愛なんていらない * オオヒラヨウ
感想書くのがすっごく遅くなっちゃったんですけども、オオヒラヨウさんの最新刊です。すっごく面白かったんです〜。
オオヒラヨウさんの描くキュンっとくる瞬間っていうかタイミングっていうか、私合うんだと思うんですよね。どんな話でも大抵、受の言動にキュンっときてしまいます。ツボをつかれちゃう。
今回のお話はこれがまた私の大好きな年上で余裕ぶってて慣れたそぶりの受と、年下のいかにもなワンコ攻で、傷つきたくなくて冷めた自分を装っている年上がやっぱりよかったなあ。勿論こういう受には、こういう年下の大らかな攻がいてこそなんですけどもね。
以下ちょっとネタばれます。
幽霊退治はじめました * 砂河深紅
漸く読んだ〜!面白かった!
もっと早く読む予定だったんだけど、なんか最初のほう読んだらさ、黒いもやもやしたもの出てきて、これ何、幽霊的な話…?と思ったら怖くなって…って今気付いたけど、だから幽霊退治ってはっきりタイトルに書いてあるじゃん!
私ってどうだろ、このタイトルもあらすじも表紙すらも見てるようで全然脳みそまで情報が届いてないっつう…。じゃあ一体何に注目して新刊買ってるんだろうね…?
という訳で、心霊的な話だったのです。
私怖いのすごい苦手なんで一人のとき読みたくなくて、明るい昼間で夜に一人にならない日に読もうと思って、このタイミングになりました。
で、最後まで心霊的な感じで行くのかな〜と思ったら途中から、ちょっと山の神様的な話になってきて、土着の古い風習とかの話にまでなって、切なくて悲しかったけど、でもすごい面白かったです。
これシリーズでもっと続けばいいですよね、私もっとこの二人の話読みたいわ〜。
恋物語的にはまだまだまだまだ続く余地あるじゃないですか?
で、心霊的なあれはちょっとゆるい表現にしてもらうとして…だって怖いのいやだ…。
思ったんですけど、あれ、黒いもやもやにするから怖いんですよね。白いもやもやとか花柄のトーンとか張ってくれたら怖くないのに…!(無理か)
関係ないんですけど、松風というとどうしても私はその昔のダウンタウンのコントを思い出すっていうか、まっちゃんが何でもかんでも松風ってつけてた気がするんだよね…。
では以下ネタばれます。
願いごとはひだまりで * かつらぎ
これいつだったかな、夏だったか春だったかに読んだんですけど、すっごくよかったんです。
で、感想書こう書こうと思いつつ時間が過ぎて…簡単にですが年内にどうしてもこれがよかったって事を書いておこうと思って。
帯にシルバーラブって書いてあるんですけど、まさしくそのとおり。
おっさんとかじいさんとかのラブなんですよね。短編集で3つのお話、3カップル分入ってますが、どれもとてもよかったです。しみじみよかった。
若い頃の思いをずっと抱えていておっさんになって成就する思いだったり、若い頃からの恋人関係をずっと続けている円熟カップルだったり、若者からのアプローチを受け入れるじいさん…おっさん?の話だったり。
どれも適度にちゃんと歳を取っているので、この人たちがラブを語るのを見るのが、なんだかこっぱずかしい。けど、恥ずかしいな、居心地が悪いな…と思わせてくれるくらいには、ちゃんとじいさんで、ちゃんと恋愛なんです。
じいさんたちのラブなんて、老い先短いとか、若者のラブよりもなんか恐ろしい気がするんですけども…何故だろうなあ、若気の至りで済まないからだろうか。
けど、ここに描かれている彼らは、歳を取ったからこその余裕もあるし、逆に怖いものがないみたいな思い切りの良さもあるし、年寄りの可愛らしさもあるし…その可愛らしさには、媚びたいやらしさがない…んですよね。人間的な愛しさというか…。
出てくるじいさん、おっさんたちに、中年ならではの可愛さがちゃんとあると思うんですよ。
勿論、ありえないって思う事もいっぱいあるかもしれないんだけど、でも、こういう恋愛があったらステキだなあ、とちゃんと思わせてくれる。笑ったり馬鹿にしたりできない、年月を経ているからこそ誤魔化しの利かない、真摯で情熱的な恋愛が描かれていると思うんですよね。その上優しく、可愛らしい。表現は優しいくかわいらしくても、彼らの胸の中にある思いは、とても情熱的。
そして、切ない。
戦争を超えてきたじいさんたちの人生なんてね、凄く切なかったですよ。なんか、泣いてしまったよ。
最後の話なんて、どっちか死ぬんじゃないかと気が気じゃなくて…。
でも確実にその時はやってくるよね。確実に、割と近いうちだよね。じいさんだからね…。
暖かく優しく狂おしい恋物語というだけじゃなく、そういう寂しい余韻まで残してくれて、何とも言えない気持ちで読み終えることができたんです。
という訳で、この三作品とも凄くじんわり染み入るいい話だったので、私はこの本オススメです。
はー…やっとこれ言えた。数ヵ月越しでした、今年中に簡単だけど感想書けてよかった!