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新庄くんと笹原くん 1 * 腰乃



えー!面白かったーーー!!
鮫笹のスピンオフなんですけど、鮫笹初めて読んだ時よりも凄くわかりやすいって言うか、心の移り変わりに納得できて、笹原弟に入り込むことができたなあ。

鮫笹の感想はこちら→鮫島くんと笹原くん * 腰乃

腰乃さんのマンガって、今二人の気持ちがどの辺にあるのかっていうのを見失うことが多いんですよ。会話が多い上に台詞が長くて、二人の立ち位置がころころ変わったりするから。
鮫笹なんてその最たるもので、二人の攻防で話が進むんだけど、その攻と防がころころ変わるでしょ。もちろんそここそが面白いんだけども。
でも、そのおかげで立ち位置を見失いやすいんだよね。

けど、今回のこの話、その辺が凄く丁寧だと思った。いつもの腰乃さんとそんな変わったとこがあるわけでもないんだけど、やっぱ時間かけてゆっくり描いてあるせいかなあ、わかりやすかったし、主人公視点でずっと進むせいもあるかもね、真希ちゃんの一喜一憂にちゃんとついて行くことができて、読んでる方が遅れを取らないというか。
おかげで臆病だった真希ちゃんが少しずつ心を開いていくのを、同じようにこっちもびくびくしながら、同じようにドキドキしながら、一生懸命になって読めました。
不器用で初心で、経験のない真希ちゃんが必死になって他人と距離を縮めようとする。あまりのひたむきさに泣いちゃったよ。
すっごく面白かった。すーっごくよかった。

では以下ネタバレます。

 



鮫笹の笹原の弟、真希ちゃんが主人公です。鮫笹の二人の関係に戸惑う真希ちゃんの話もちょっと入ってるんだけど、あとは全部友達のいない真希ちゃんに初めてできた友達、新庄とのあれやこれや、です。

真希ちゃん、オタクだったんですね。二次元を愛していて、三次元の友人も女も興味がない。一人で十分で他人とのあれこれは面倒くさくて、家でずっとネット見てるような。愛読書はラノベ。
そんな真希ちゃんが学校で知り合った超リア充の新庄。ちゃらそう。たぶんイケメン。自分を恥じてないから、臆することがなく他人に向かって行くんだよね。相手が言われたくないであろうこととか、たとえば、きっとバカにされるだろうから趣味は周りに内緒にしたいというオタクの気持ちなんかは全然わからないわけ。いやがられたら恥ずかしいとか、否定されたら嫌だとか、そう思うと知らない人間に踏み込んでいくのって凄く勇気がいることだけど、新庄みたいな人間はたぶん、自分が否定されることをあんまり考えてないから、相手にずかずか踏み込んで、あっという間に距離を縮めてくるんですよね、鈍感力、すげー。たまにいますねこういう人。オタクがリア充とか読んじゃうような、こういう人。
とにかく真希ちゃんとは正反対の新庄という男と知り合って、何故かあれこれ構われる真希ちゃん。好意を持たれているのかと勘ぐるんだけど実は新庄が真希ちゃんを構うのには理由があって……。

という話。
しかし私は、新庄がタイプなんですよ好きなんですよかっこいいと思うんです。もう一目見た瞬間から、新庄、好きだー!ってなりました。まあ、無神経なんだけど、こういう心の強い人って憧れるよね。見た目も好きだけど。オタクについて不躾にあれこれ聞く感じが、本当に一般人って感じがする。台詞にバカにする気持ちがないもん。恥ずかしいと思ってないから、オタク絵を練習してみたりする。偏見がないから、自分も当たり前のように始めちゃう。けど、オタク絵を描けてpixivにアカウントを取ったとしたって、新庄は断じてオタクじゃないし、オタクにもならないよね。凄いよね。ほんとフラットな人。好きだよ新庄。

そんな新庄に恋愛相談をされて、まじめな真希ちゃんは無視をすることもできず、なんとか答えているうちに友達に。たぶん友達づきあいとかもしないから、他人との距離のはかり方がわからないんですよね、真希ちゃん。なのに、やっとできた友達がまた、そういう逡巡飛び越えてぐっと近くによってくるような、オープンで屈託がなくて他人との間に垣根がないような男でしょ。ハードル高いんだよなあいきなり。
けど、真希ちゃんみたいに内に籠もる子だと、このくらい無神経にずかずか来てくれる人じゃないと、なかなか関係も前に進まない気もするけども。

こんな男と突然親しく付き合うようになって、真希ちゃんはそりゃもう戸惑う。はじめは邪険にし、慣れて距離をつかめるようになったと思ったら
周りにからかわれ、からかわれるということはたぶん、こういう子にとって一番プライドが傷つくようなことだし、近すぎることを客観視すると今度は怖くなって逃げて、相手が引いたらもそれはもっと恐ろしくて必死につなぎ止めようとする。
そうやって真希ちゃんがジタバタジタバタもがいてる間、真希ちゃんの心の中は新庄でいっぱいなわけよ。新庄のことばっかり考えてるの。真希ちゃんはそんな自分が自分でわからない。どうなったかわからない。でも、どうしても新庄との関係をどうにかしたいの。
せっかくできたたった一人の友達。すでにこの時点で友達って枠は越えているのかもしれないけど、呼び方はなんであれ、真希ちゃんに初めてできた、つなぎ止めたい他人であることは間違いがない。
その新庄と、新庄に対する気持ちを持て余して、今度はスキンシップに走ったり…それは自分からしてしまった、またはしたいスキンシップを大したことないと思いこませるためにやっている地道な努力でもあるんだけども。必死な真希ちゃんは、それが他人からどう映るかなんてことは思い至らない。

舞い上がって自分から新庄にキスしてしまった時、真希ちゃんは漸く気付く。ずっと気付いてたかもしれないけどね。でも、たぶんあの瞬間、名前はついたと思う。
家に引きこもって「こんなに苦しくて恥ずかしいのに、忘れられない」って言うところがあるでしょ。
私、この台詞とこのシーンがもの凄く…一番印象的だったの。
恋してる。真希ちゃん恋してる。みっともないよね、自分からあんなことしてさ、それも散々逃げたりくっついたりはちゃめちゃな行動とって、その挙げ句にあのキス。忘れたいよ、恥ずかしいよ。言い訳したりしたいよね、でもできない、怖くてできない。相手からも連絡は来ない、来ないことが余計に真希ちゃんの気持ちを沈ませる、だからといって自分からはとてもメールできない。
そんなにも苦しいのに、なのにどうしても、新庄のことを忘れられない。
そんな気持ちは、きっと生きている人間を好きになったことがない今まで、真希ちゃんは知らなかった。
今、初めて真希ちゃんは、どうにもしようのない、コントロールの聞かない恋に支配されて、戸惑い怯えている。

…愛しい。
こんな風に誰かを好きになった真希ちゃんが愛しいよ。泣ける。なんかもう涙が出てくる、あんまりにも心模様が赤裸々だから。

自分が否定された気がして新庄の前で泣いたり、ひねくれたことを言ってみたり、好きだと言うことはできないのに、新庄の「好きにならせてみて」の言葉は信じて、その一言に縋ったり。
縋って実際行動にうつしてみせたり。

…どんだけ?どんだけ一生懸命なの真希ちゃん。
手管がない、計算ができない、知ったばかりの気持ちに従うことしかできない真希ちゃん。不器用なりに、こんなにも必死に一途に思われていることが伝わって…真希ちゃんが最初から嫌いというわけじゃないんなら
、新庄の気持ちも動くよね。
…動くんですよねこれが。

あの告白ですよねやっぱ。新庄どころか、私の気持ちが動いたよ。めちゃくちゃ打たれたよ、まさにズキューンっと心臓を一突きだったよ、あの瞬間もう、きゅぅぅぅぅんっと来て涙がボロボロボロボロ…って。
あんなにも一途な、本気な、あれ以上がない、本物の告白があろうか。
真希ちゃんにとってあれ以上の告白はない。
だから、きっと、新庄に届いたんだよ。

考えてみてよ、二次元しかいらないって言ってた男よ。友達もいらなかったんだよ。
それが、生きている男に自分から告白したよ……。
なんて感動的なの。人はここまで変わる。出会いで変わるんだよぉぉ〜〜泣ける〜。
口に出して認めた途端、進行する気持ち、わかるわあ。
形にした途端、自分で自分を盛り上げてしまうもんだよね。

そんな真希ちゃんの全力を向けられて、新庄がいてもたってもいられないような気持ちになって引きずられていくのがよく見える。
たぶん最初から新庄は真希ちゃんに引っかかりがあったんだし、いつこうなってもおかしくなかったけどね。

なんか、真希ちゃんの潔癖な考え方と、新庄の直感的な考え方がうまい対比で面白いよね。
これは偏見だろうけど、オタク的潔癖さって私よく遭遇してきたなと思うんですけども、私の今までの人生では、恋愛に対する潔癖さを持ってる子がオタクには多いですよ。オタクだけじゃもちろんないだろうけどね。真希ちゃんはそういう感じだったよね。でも好きになった相手が新庄だからちょうどいいよ、たぶん新庄はそういう境界とか作らない人だから。それに男女の境界もないね、バイだもんね言ってみれば。

最後あたり、新庄の部屋でエロいことになったとき、真希ちゃんからカッコつけない素直な言葉が、本音が出てくるじゃないですか。
あれでまた涙。いやらしい事が怖いって。これなんだよなあ…。
結局ここなんだよ、怖いから、要らないと言っちゃう。はじめから要らないと言って拒否してれば、自分が何を怖がっているのか、知らないふりができるでしょ。怖がっているなんて知りたくないんだと思う。そこにはきっと小さなプライドがあるんじゃないだろうか。
結局恋愛ごとにたけている人をリア充とか言って遠巻きにしてバカにしてみるのも、ここなんじゃないの根っこは。
…ま、それは置いとくとしても、真希ちゃんの本音には凄く納得がいくし、もの凄く人間的だと思ったし、本音をさらけ出してみせたことへの愛しさみたいなのも混ざって、もうえらい涙が出た。よくぞ言ったよ。えらい。可愛い。きっとこの子は強くなる。
兄ちゃんも言ってたよ、本当は強いって。自分でなんとかするって。
さすが兄ちゃん、よくわかってるよね。

そんで最後のオナニー。
もうやばい。真希ちゃんがどんどん、どんどん裸になっていく。自分を隠して隠してプライドを守ってた真希ちゃんが、自分を解放していく…。
気持ちいいオナニーできて…よかったねええええ…。
もう親心爆発。
親心を抱く反面、エロくて…エロくて…!真希ちゃんの興奮度合いが何ともよく表現されていた、凄い!凄い!なんていい自慰シーンなんだろう!

二巻…二巻で新庄側の気持ちが描かれるというのだろうか、待ち遠しい〜!
実は最初、真希ちゃん攻だったらいいなと思ってたんですけども、今となってはどっちでもいいや。そして受をした後には攻も経験して欲しいというか要するに新庄受も見てみたいです。新庄がタイプだからね…。好みの男は受にしたいという私の欲望。
あと新庄が好きだった先生も詳しく知りたい。

そうだ、真希ちゃんね、新庄と付き合うことにより、新庄とつるんでる子たちとも仲良くなれたよね、それが凄くよかったなあと思って。
はー…しかし面白かった、夢中で読んだ。腰乃さん凄いなあ、いつも一見似たような感じなのに、違うんだよな〜。
面白いんだよな〜。




ところで関係ないけど私、まきちゃんはまきちゃんでも巻島の巻ちゃんにも夢中なんですけども!
巻ちゃん好きだよ〜!

あと拍手コメントくださった方や拍手くださった方、どうもありがとうございました!
今、感想書けるくらいの気持ちにまで回復しました〜。
心配してくださって本当にありがたいです。
また気が向いたら話しかけてくださいね!




 

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Catergory in [comics : か]腰乃 comments(0) -
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