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今日も月が綺麗 * 木下けい子

木下さんの短編集ですが、私これすっごい好きだった!凄くよかったなあ、すんごくきゅんとした、泣いた〜。
短編集でこんなにいいと思うのって珍しいかもしれない、木下さんの場合。

表題作は学生の頃から恋人として付き合っている先輩後輩同士が、社会人になって同居しはじめ、日常の中で起こる些細な擦れ違いや、気持ちのぶつかり合いなんかが描かれていて、本当に特に事件が起こるでもない、普通の日々の事が書いてあるんだけど、これがすっごくよかったの。
後輩受だし、そういう意味では私のタイプじゃなかったけど、とてもいい話だと思った。

同時収録も凄くよくて泣いたんです、性格の悪い先輩受でした。これもきゅんとした〜。


以下ネタばれます。




高校のときに付き合いはじめ、社会人になって同居を始めた瑛太と先輩。学生時代だって紆余曲折あって、喧嘩したり仲直りしたりを繰り返して、やっと一緒に暮らし始めた二人。だけど、サラリーマンになった先輩とWEBデザイナーみたいなことやってる自分とでは忙しさの時期も質も違って、擦れ違うことが多い。会えなくて寂しい中、ある日先輩が女の子と合コンしているとこを見てしまったことが切っ掛けで、先輩と喧嘩、気持ちが擦れ違って…

という話。
ほんとね、起こる事は特別でもなんでもないんです。凄くありきたりなんです。でも、ありきたりだからこそ、描かれている気持ちに無理がないし、共感できるし、伝わりやすくて、分かりやすいんじゃないかと思うんですよね。
なんか結局…恋愛って、これがBLだからと言って、そしてどんな変わったシチュエーション並べたところで、結局こういう、日常の中の擦れ違いが一番しっくりくるし、疑問がないし、頷けちゃうよね。
同じもの何個も読んでると飽きるかもだけど、やっぱり作家さんそれぞれ同じ設定書いたって持ち味が違うし、表現の仕方も違って、その上自分の状態も違うしさ、やっぱりオーソドックスなもの読むと、これだー!!感があるよね、やっぱこれだ!みたいな。原点だ!って感じ。

生きている自分たちだって、ほんの些細な事で同居人と喧嘩するし、その些細な事だって、自分の機嫌が良けりゃ流せる場合もあるし、機嫌が悪かったり、その些細な事が何回も積み重なっていたら、爆発するみたいに腹立つ事もあるしね。
疲れていると、同じ言葉でもカチンとくる場合もあるし、小さな言葉一つで許せる場合もある。
だからさ、同じような日常送ってても、全部やっぱり違うんだよね、一つ一つ。
日常って一括りに言っても、その一つ一つ全部違う日々と、全部違う出来事があって、生きている自分も、出演者も、皆性格が違う。
同じような事象も、きっと同じ道は辿らない。同じ道を辿ったとしても、心の中は違う。

このマンガの中の二人もそうで、皆同じような日々を生きているようで、この人たちにはこの人たちの日々があるんだ…っていう、オーソドックスな中にも凄く、ここにしかない気持ちの行き交いがあった気がして、生きている感があったんですよね。
だから、胸に響いて来るんだと思う。
ここにしかないって事は、生きてるってことだからね。

瑛太が先輩との時間がなくて寂しくて、ヤキモチ焼いて、責めてる最中に笑われて、ムカーっとくるこの気持ち、なんだろこのリアル。すっごく瑛太の気持ち分かるよね、こっちの言葉が全然先輩に伝わってないこの感じね。言いたい事がどうもうまく言えなくて拒否ったりするんだけど、相手は思ったような反応返してくれなくて更にイラついたり。
気持ちの流れがほんと…とっても分かりやすい。違和感がないの、スムーズで。

で、瑛太のテンションと先輩のテンションが合わないんだけど、この先輩の感じもあるあるあるある…って思っちゃったなあ、これも性格なんだよな先輩の。
二人の気持ちの流れに両方納得できちゃって…。
瑛太の気持ちも分かるじゃん。自分だって疲れてるのにごはんとか作って、なのにおまえの仕事楽でいいな、的な事言われたらそりゃあムッカーとくる。
でも、もしも自分に余裕があったなら、先輩の「自由っていいなあ…」の言葉を、「楽でいいな、俺はしんどいのに…」と受け取らずに済んだかもしれない。今仕事がしんどい先輩の、SOSだと受け取れたかもしれない。
一緒に生活するって、こういうことなんだよね。自分の気持ちを相手にぶつけてしまうんだよね、恋人なら尚更、受け止めてくれて当たり前だってとこから入るから。
んでセックスして仲直りするんだけど、根本が解決したわけじゃないから、また些細な言葉の行き違いで喧嘩、みたいな。

は〜…可愛い。
この二人可愛い。私どこかでも言ったと思いますが…痴話喧嘩を読むのが…好きで…。
この二人が喧嘩してんのがもう、ゾクゾクして気持ちよくてしょうがないっていうか、勿論仲直り前提なんですけども、気持ちぶつけあってんのが可愛くて!
瑛太いい子だよね、すぐに自分を省みる。こういう場合、意地っ張りって言うのが一番よくないですよね、私意地っ張りって嫌い、生きている人間も、意地を張る人嫌いです。素直が一番よ、素直な人が大好き。

口に出して弱音を吐けない先輩の、日々の頑張りに思いを馳せると、なんだか凄い泣けたなあ。
瑛太の職場の人が言ってたけど、ほんとそう。まだ若造だよね、瑛太から見れば先輩だけど。きっと仕事しんどいよね、でも頑張ってる。デザイナーは自由でいいなあ…って言った先輩の言葉が、キタ、胸にがつんと。

いや〜…泣けた。
なんだか凄く泣けた。瑛太の寂しさとか、分かってもらえないもどかしさとかにも泣けたし、先輩の必死に生きてる感とか、若さとか、瑛太に恋している心にも!がつんと泣けた!
しかもこの先輩は瑛太にお尻を差し出そうとしていて、ほんとこのままやられちゃってもいいのよ…?と思ったけどディアプラで木下さんでそれはないよね〜…と冷静な自分が。
ほんと、素敵な話でした、とてもよかった。

で、同時収録。これがー!!
『明日も空は青い』っていう話。これも高校時代の先輩後輩の仲が社会人になるまで続いてるっていう話なんだけど、こっちの先輩は性格が悪い受。
小山内の後輩の溝口は高校の頃から自分の事が好きで、自分のいう事なら何でも聞く。理不尽な扱いをしても文句一つ言わず従うので、小山内は彼を下僕扱いしている。溝口の気持ちの上に胡坐を掻いているのに、自分は次から次へと女を作り、だらしのなさに呆れられ追い出され、金にもだらしがなく、会社勤めしてるのにいっつも金がない。
そういう関係の上に、更に小山内は、性欲処理のようにたまに溝口に自分を抱かせてやる。

…っていう、これは相当最悪な男です、小山内!
いい歳して金がないって時点でもう…金なくて女の家に寝泊りし、追い出されたら行くとこもなく溝口の家に寝泊りし、そんなだらしなさでもなんで生きて来れたかっていうと、溝口がずーっとこの男の面倒を見てきたからなんですよ。どんなに困っても最終的には溝口が助けてくれる、だから小山内はいっつもぎりぎりの生活なの。
んで、合コンで知り合った女が溝口の事好きだって言ったら、その女と付き合え、なんて溝口に言うんだもん〜。
これはもうアウト。こんな奴はギャフンと言わせてやらなきゃ気が済まないわけです!

だからそういう話なんですよね、もう気持ちいいったらないよ!
性格悪い奴が出てくる話はこの最後のどんでん返しが面白いですよね〜快感です。
雨の中、一人きりで泣いてる小山内見てると、気持ちよすぎてボロボロ泣いちゃったよ、この涙は何ですかね、キュン泣きですかね。心が動くと涙が出るのですな、逆転した瞬間の気持ちよさでも大泣きできます。
嫌な奴だけど、可愛かったなあ、小山内。お仕置きされちゃえこんな男は!
でも可愛い!もっともっと泣かされちゃえばいい!でも可愛い!
頭ふかれながら拗ねてむくれながらごはん食べてる顔とか、ほんと可愛い。

ところで表題作の二人と同じマンションだったんだね〜。

や〜ほんとこの二作品とも面白かった。
最後もう一個話入ってたんだけど、これはあんまりキュンとしなかったな〜。
けど他の二作品が最高でしたからね!




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5/31〜6/6
同級生 * 上田規代  嘘つきは恋をする * 上田規代  コイノイロ * 上田規代  召し上がれ愛を * 木下けい子  恋と誘惑のレシピ レストラン ル・ロワイユ * 上田規代  召し上がれ愛を(CD) * 木下けい子  言ノ葉ノ世界(CD) * 砂原糖子  恋する王子様 * 上田規代  24年ぶりのいくえみ綾  ぬるくなるまで待って * のばらあいこ  さよなら、愛しのマイフレンド 2 * エンゾウ  こっち向いて笑って * 市川けい  クローズ・ゲーム * カシオ  2013年6月CHECK  STAR☆Right * 扇ゆずは  2013年4月のまとめ  今宵おまえと 最終章 * 木下けい子  傷ついてロマンス * 阿部あかね  

以上の記事と携帯から拍手を頂きました。どうもありがとうございました!
金曜日から家をあけるので、またちょっと更新お休みになりそうですが、帰ってきたらまた書ければいいなと思います。
今ちょっと余裕できたので、できるだけ感想書いて残しておきたいなって気持ち!






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Catergory in [comics : か]木下けい子 comments(0) -
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