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新宿ラッキーホール * 雲田はるこ

凄い!面白かったです〜!
一話完結で登場人物たちが微妙に違ってくる連作みたいになってて、本当はどことどこがどうなんの?って思いながら読むのも凄い楽しかったし、とにかく雲田さん絵がいいので、絵を見てるだけで凄く楽しいんですよね。皆ちょっと柔らかくていやらしい魅力があって、見てるとほんと、誰も彼も受に見えて、この話に真の攻なんて存在していなかったんじゃないか?っていうくらい…。
いや、雲田さんの話には前々からそういう気配があるよね、考えてみれば。あの名作『野ばら』は受攻はっきりしててそれがよかったんですけどもね。
けど今回のこの話とか猫っ毛とかだと、ほんっとに皆受の魅力に溢れてますよ、受にしか見えません。
…ということはCPできなーい!!ってことになって私にとってこれは致命的ですな。…あれ?

いやそんな事はないんですけども、本当に苦味が魅力的でした、私はも〜こういう雲田さんの描く、ちょっとロン毛気味の無精ひげの人生経験豊富そうな優男に、とにかく弱いです、物凄くステキだと思う、タイプです好きです!
しかし苦味だけじゃなくて、もういっっろんないい男可愛い男が目白押しで、物語もAV業界とヤクザな世界がメインで泥臭く、この泥臭さが雲田さんの持ち味の昭和風味と激マッチしてましたよね〜。というか雲田さんが描くから泥臭いんだと思うんですよ、何もかも場末な感じがするのがいいです、上の方で綺麗に光っている光っていうよりは、足元の泥水に反射する光みたいでね。

んで雲田さん本当に、感情表現が柔らかいんですよね、どことなくフェミニンで、どんないかつい男にも柔らかい皮膚をちゃんと感じますよね、どっかに弱点がありそうっていうか…いや弱点っていうか、感じどころ?
…それがきっと、受っぽさなんだよな〜。
ほんと男がみんな受っぽくてステキ!

以下ネタばれます。




ゲイビデオ作ってる小さい会社を舞台に幾つかの男たちの物語が繰り広げられていくのですが、最初ほんと、まさかそういう風な展開になるとは全く想像してなかったよね〜。
苦味(くみ)ってのが主人公のおっさんなんだけども…おっさんだよね?これが凄い魅力的なんですよね、私すっごいタイプだったわ〜。酸いも甘いも一周回って無味無臭みたいな、どんな人生経験してきたらこうなったんだみたいなさ、やさぐれ風味の外見だけど、やさぐれるというほどは枯れてなさそうで色気があって、でも頭が良さそうでさ〜。最初から最後まで、私は苦味に夢中でした。髭も髪形も性格も好き!
んで、この苦味の会社にやってくるのが男優希望のとっぽい青年。スーツに眼鏡で世間知らずそうなお人よし。借金返済のため、苦味の会社のスカウトの人に声掛けられてこんなとこまで来たんだけど、AVとは思っていてもゲイビデオだってことは聞いてなかったみたいで、真っ青になりはじめた彼に、苦味は口八丁手八丁で彼を落としてゆくんだけど…

というのが一話目のお話。
面白かったですよ〜。この後のお話がどうなるか分からないから、てっきりこの二人の物語だと思って読むでしょ。したらもう二人とも好みなもんで、どっちが受か攻か…っていつもながら偉い気にしてしまった。ま、この場合苦味が攻でしたけど。
お人よしすぎて危機感なさすぎて騙されやすい眼鏡の子も可愛かったよ、こんな人もう、不憫でしょうがない!こんなにおっとりした優しい人が騙されてしまう世の中なんてPOISON!!…と言いたくなるくらい、クソ真面目な人に同情してしまう私…。
そして苦味はこういう分かってなさそうなとっぽい人は内心お断りみたいだけど、スカウトのおっさんに彼を使い物にするようにと言われて仕方なく、眼鏡の人を落としてゆく。はじめは渋々…って感じだったけど苦味もまあ好きモノというかで、何も知らない初心な男の身体を開発するのは楽しいようで、相当楽しそうに抱いてましたけどね。
露骨に書いてある訳でもないのに、エロいよねえ、雲田さんのエッチシーンって。セックスを楽しんでいる感も凄くいいです。愛や恋の果てにあるセックス、ではないけども、愛や恋はなくても体のコミュニケーションはしっかりある気がするなあ、快楽もある。セックスにはそういう側面も確かにあるもんね。何も大恋愛した後にしかしてはいけないというものでもない。
この本に入っているお話たちを読むと、そういう部分に凄く納得してしまうなあ、愛や恋がなくても汚くなくて、気持ちよくてその間だけでも相手を愛しく思えるというよいセックスの存在を。
まあ実際そういうよいセックスがあるのかというと分かりませんけどね。
結局究極のセックスはやっぱり愛し合うもの同士が求め合ってするセックスだと思いますよ、ゲイ同士だとまた違うんですかね。私は永遠にゲイにはなれないので分からないけど、やっぱり身体のみで十分幸せ、と思っている期間があったとしても、それは人生においては短い期間ではないかな、と今私は思いますよ。
…てな事は置いとくとしても、ただこういう本を読むと、セックスはコミュニケーション!という感じも強くして、それはそれで悪くないんじゃないかなと思います。
特に物語だとなおいいですね、私はそういうお話大好きです。

んでまあ一話の眼鏡の彼は、苦味に人生の苦いと甘いと教えて貰って追い返されるわけですが…苦味に窮地を助けてもらうんですね。
けど彼、苦味に惚れちゃってたみたいだけどね。…惚れるよねそりゃ。
こっちに出て来てからこんなにやさしくして貰った事がないって言ってたのが凄く切なかったです。悪い子じゃないのに、もっともっと愛されて欲しい。二度と借金背負いませんように。ちょっとは懲りたかなあ?この子の行く末が不安でしょうがない…。いっそ本当にここでゲイ男優になった方がよかったんじゃ…。

んで二話目は苦味に眼鏡の子を押し付けたスカウトの人、サクマさんの話。
このおっさんがまた、ステキなんですよ。これがまた本物のやさぐれ臭。ヤクザ上がりで今ゲイビ男優のスカウトをしているという謎の人物。この人が昔いた組の組長の息子という色っぽい若者がいて、この子はサクマさんを一途に好き。今度結婚させられるというので逃げていて、サクマに一度でいいから抱いて欲しいという。サクマは組をやめる時に、一生組関係には近付かないという約束をしていて、今は普通に暮らしたい。こんなお荷物がやって来るのなんて迷惑以外の何者でもない。だけども組長の息子も本気。人生かけて、抱いて欲しいとサクマに縋ってきて…

という話。これも痛々しい話だったなあ。組長の息子が綺麗で可愛い子なんだけど、可哀想だった。
サクマさんも凄いカッコよくて、何となく私は自分好みのおっさんが出てくると、このおっさんを若い受子に取られるのが嫌なので(攻男だと謹んで差し上げる)あんまり成就を願わない傾向にあり、壊れろ壊れろと思って読んでしまうんですが…今回もそう思ってたんだけど、やっぱり組長の息子の覚悟が切なくて、さすがにとても可哀想でした。こんなに好きな人がいるのに、意に沿わぬ結婚をしないといけないなんて。ゲイなのに女の人と。でもこの子しぶとく10年後とかでもサクマに絡んできそうじゃない?それならそれでそれなりに楽しいなあと思ったり…。

で、この話で組長の息子を諦めさせるためにサクマが苦味をわざと自分の奥さん扱いして、苦味に嘘つきって言われるくだりがあったので、まさか苦味とサクマはそういう関係ではないんだろう…と普通に思っていたらなんと、なんとなんと、ここできてたのー??
って、サクマが苦味にちょっとは妬けって言った時、びっくりしたよね。
嬉しいような複雑なような…え、だってどっちも受じゃない…?
最初に言った、受同士だとCPできないから致命的…っていうのはこういう事でね、攻がいないとどうにもそわそわするんですよね、苦味とサクマすっごくお似合いで恋人だったら嬉しいって思ってるのに、二人が恋人だったらどっちかが必ず攻にならねばならず、そんなの勿体無い!
…というこの複雑な心理、分かっていただけますでしょうか。

んで三話目、この会社の社員、斎木くんの話。
この斎木くんがまた可愛くて…!ロン毛の眼鏡でまた受け受けしい…!!どんだけ受満載なのこのマンガ!斎木くんは昔ゲイビに出てた苦味に惚れてこの会社に入社してきたという苦味ファン。けど苦味ファンである事がばれたら仕事がやりにくいし、サクマが黙ってないので内緒にしている。
そんなある日、男優が一人逃げた。そこを補うために苦味と斎木が出演することに。撮影中、斎木は大好きな苦味さんと抱き合えていることでメロメロになってしまって、その様子でサクマに苦味への気持ちがばれてしまう。早速その日、サクマに首を言い渡されてしまって…

という話。斎木も可愛いんだけど、嫉妬するサクマがいいんですよ〜。
まるで苦味には興味がないみたいに他人とセックスさせるくせに、苦味への気持ちがダダ漏れの斎木が苦味に触れる事には物凄く嫉妬するんですよね。あれは俺のだってサクマ…!
何とも不穏な顔でそんな事を言うサクマと苦味には一体どんな過去があるんだろうと否応なく期待が高まりますよね!
んで斎木も本当に可愛いんだよ〜。理不尽にやめさせられて泣いてレニっていう男優さんに縋るんだけど、この人は元から斎木が可愛くて仕方ないみたいでこことくっつきはするんだけど、泣き顔ほんと可愛いんです。あんなに苦味が好きだったのに、慰めてくれたレニにあっという間に絆されちゃうっていうのも、なんか単純でいいよね、逆にありえる気がしてしまう。斎木にとってはきっとこっちのが本物なんじゃないかな〜って、何となくそんな気がしてしまうよ。

んで4話目が苦味とサクマの過去の話です。
苦味の生い立ちとか結構悲惨なんですよね、凄く嫌な気持ちになりそうなもんなのに、苦味が悲惨な顔をしないから、痛みが直接やってこないっていう読みやすさがありますよね〜。
高校生の頃の苦味、これもまた色っぽいなあ。なんつうか、歳取った苦味とはまるで違う色気があります、まだまだこれからの青臭い感じの、けどなんかどっか成熟したような匂いもするっていうか。
この若い苦味と今の苦味が私、頭の中でうまく繋がらないんですよね、まるで別人みたいに思えます。
サクマに身体を教え込まれてゆく苦味、色っぽくて可愛かった。そして何よりサクマが…!サクマが色っぽいんだよ〜!
情に脆いゲイ、サクマ。仕込んでAV業界に売り払う予定だった苦味に惚れて、苦味の借金を肩代わりして、苦味を組から引き離す。借金返済の為に苦味は結局AVをやることになり、その筋では一躍スターになって稼ぎ始め…
多くを語らないサクマが最高にストイックに見えますよね、結構エロい事いっぱいしてるはずなのに、なんか凄く孤高に思えるなあ。苦味を組から引き取った後はセックスも一切ナシ、とかね。
苦味はサクマの事が凄く好きで、抱き合いたいのに、サクマは一切触れてこない。けど、愛情はあるんだよね、サクマは全力で苦味を守っていて、苦味もそれを分かっている。だからわがままを言えずにサクマに従っている。
なんかもどかしくてさあ、この関係が。正直言うとさっぱり理解できない。
何となく、何となくそういうものなんだろうなあと思ってはいるけども、どういう訳なのかは分からない、なんでセックスしないの?疲れて性欲減退してるのか?…それなら分かる。
苦味がAVやってるっていうのは、大きい理由かもしれないな。サクマが苦味を抱かない理由。

最後に苦味にサクマが抱かれて、ああ…やっぱり…って思ったなあ。
サクマ…だって受だよこの人どうやっても。
プロポーズ、感動したー…。サクマの腹づもりは分かりにくいけど、苦味とは一生一緒にいようと思ってんだね、よかった安心した…。きゅーんとした。
そしてそのサクマのプロポーズを苦味はちゃんとわかったんですかね〜。

最後のオマケが嬉しかった!
最初より更に老けた風味のサクマと苦味、ちょっとは色っぽいことがあってよかったよ。

しかし私には心残りが……。
このオッサン風味の苦味の受を…見たかった…!!!
おっさん苦味は攻しかしてないでしょ?受が見たかったよ〜〜。
いやでもサクマさんは受ですけどね。
一体なんの火がついてやろうと思ったんですかね最後。ほんと読めない人…。
セックスレスであったろう長い年月を思うと苦味が不憫。
今後はもうちょっと頻繁にやったらいいと思う!
そんでたまに逆になったりしたらいいと思うー!




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7/31〜8/3
王子と乞食 * 河井英槻  500年の営み * 山中ヒコ  憂鬱な朝 4 * 日高ショーコ  西田東をランキングする。  恋のつづき 恋のはなし2 * 砂原糖子  恋人であるということ * 砂原糖子/ルチル文庫創刊5周年記念小冊子  涙三滴 薔薇の花びら * 山中ヒコ  最恐教師~教師も色々あるわけで~ 2 * 大和名瀬  溺愛イトコン! * 大和名瀬  ケダモノ外科医 * 新也美樹  500年の営み * 山中ヒコ  憂鬱な朝 4 * 日高ショーコ  THANKS!! 0625→  

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どうもありがとうございました!





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Catergory in [comics : か]雲田はるこ comments(2) -
Comment
ヨルコ says : at 2012/08/06 23:51
カオさんこちらでもこんばんは!

そうなんですよ、おっさん苦味が受けるのも見てみたかったのですよ〜。今か今かと期待していたので、最後までなくてちょっとガッカリしてしまったんですけど…でもまあ、概ね満足していますけどもね!

憂鬱な朝の後に読んだらうまい具合に緊張が解けそうですね〜。

私は500年の営みの後に憂鬱〜を読んで心の中が台風一過のようでしたよ…。
カオ says : at 2012/08/05 15:57
こちらもコメントお邪魔します。
これは久しぶりに楽しかった〜
憂鬱な朝の後に読んだ分、エロがエロかった。。
お話もまるごと一冊きれいに纏まっていて
キャラクターもみんな魅力的
クミがカッコかわいくて色気もあってステキです
確かにおっさんクミの受けは見たかったですね〜
明るくエロそうです

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