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千 螺旋の錠 * 岡田屋鉄蔵

前回がもうもうとても素晴らしく面白く切なくてたまらなかったので次巻も相当待ち遠しかったです。ちゃんと続きが出てよかった…!
私この話、これぞ岡田屋さんの真骨頂というか、岡田屋さんの力の発揮しどころじゃないか!?…と勝手に思ってるんですよね、だって物凄く説得力あるじゃないですか、この絵、この切ないストーリー。現代の話を書くと少し大袈裟だとかやりすぎている感じがしない事もない…んですけども実は。
でもこのままならない時代にあると、この表現力も切なさも何もかもぴったりですよねえ、時代が手助けするというか。ほんと、岡田屋さんの良さをきっとこのシリーズで初めて理解したと言っても過言ではないよ、私の場合だけど。

一作目の感想はこちら→
千-長夜の契 * 岡田屋鉄蔵

いやほんと、今回も大号泣してしまった…。
前回も今回もほんと、切ないです。凄く理不尽に痛めつけられて苦しめられて命を落とす人がたくさんいて、物凄く腹も立つし、辛いし、読んでても苦しいんだけど、でもとにかく一言で言うと"切ない"。これに尽きると思う。怒りよりも何よりも、悲しいんですよね。悲しくてやるせない。

千が命や存在と引き換えに契約を交わす"モノ"なので、この話には必ず死が付き纏うんですよね、絶対に誰かは死ぬし、絶対に生きてそのまま幸せに…という事はないんです、契約すれば。
だから悲しみは付き物ですよね、大抵は恨みや悲しみを抱えた人たちが誰かの為に自分の命を捨てるお話なので。それも大抵逃げられない業のせいというか、本人たちが根っから悪いわけではないし、必死に健気に生きた上での理不尽な悲しみや憎しみや恨みだったりする。その思いを一体どこにぶつければいいのか分からない。それでも愛情深く健気に生きているというのが、とても切ないです。

今回の話も全部切なかったなあ…。
辛い話ばかりですが、でもとにかく、マンガとしてお話として、面白い事に間違いはない…!
とにかくとても面白い。素晴らしい!
このシリーズ、末永く続いて欲しいなあ。せめて千の過去が描かれるまではしっかり続いて欲しいです。

以下ネタばれます。




今回は大まかに三つ話が入ってました。
力士と絵師の話。いや何より、力士っていうのがもう、ええ、力士でこんなにガッツリやっちゃうんだ…っていうことにとても驚きました。ガタイはいいけど太ってるって感じじゃないもんね。岡田屋さんだからこそできる話だなあ、とにかく力士に説得力がある…。
こんなに健気に生きているのにも関わらず、それでもやっぱり理不尽に命を奪われてしまうなんて、悲しいです。死んでもなお恋人を守ってずっと存在している…という、寂しいけどこの話は唯一ちょっとだけホッとしたっていうか…。絵師の方が生きながらえたからかもしれない。
何となく、他の話よりは優しい明るさがありましたよね。…あくまで、他の話よりは。他の話がほんとしんどかったから。
力士の優しい笑顔やどっしりした存在感のおかげだろうか。

んで盗賊の話。
これはもうちょっと…ちょっとダメだしんどい、いやダメじゃないけどしんどい。
子供を折檻して死なせる、なんて、字面を読むだけで辛くてどうしようもないです、立ちすくんでしまって次に行けない。
吊り下げられていた子供の姿が強烈に悲しくて、動けなかったよ…心が。
動けないのに次々に辛いことが分かって行って、芳之助のされた諸々の惨いことを見たら、動けないどころかどんどんその場に両足めり込んでいくみたいに悲しい気持ちになりました。
せっかく生まれてきたのに、どうしてこんなに辛い目にばかりあって、一体何の為の命なんだ…と思わずにいられないよ。それでも健気に、自分と同じ境遇の子供を助けながら、他人には愛情を注いで生きていたのに、心に巣食っていた闇は結局芳之助を食ってしまう。人を惨殺し、正気を保てなくなっていく。
芳之助があまりにあまりな運命でした。せめて新しく生き直させてやりたいと願う弟の気持ちも、とても切なかった。殺すことでこの無残な生を終わらせようと考えるなんて、でもそれしかなかったのだろうと、これでよかったんだろうと、納得せざるを得ない悲しさでした。
新しく生まれた芳之助は、きっと幸せに生きただろうと思う。そう思わなきゃやってらんないー…。
そして弟も悲しかった…。千と契約したら、弟の存在自体が無になってしまう。もう生まれ変わる事もなく、存在した証もなくなる。この弟は、自分を何もかもなくして、兄を生き直させようとしたんですよ…。
なんつう愛情なのか。ああ、しんどいわ〜…。
けどこの二人は何人もの命を奪ってきたから、こういう最期なのも受け入れざるを得ないのかもしれないです。
でも、生まれた時はまっさらで、子供の時は何も知らず、ただただ母親を信じていただけなのになあ…。

海賊の話。
お話としてはこれが一番面白かった。そしてやっぱり切なかった…。
まあ、そんな事だろうと思いました。大体戦いにまつわる話なんていうのは、勝てば官軍っつうか、勝った方が正義として言い伝えられるもので、この話の海賊のお話も、きっとそういう事なんだろうと。
だけど、虐げられてやっと手に入れた自由を、騙されてまた無残にも奪われてしまった海賊たちの末路が、やっぱり辛かった。そうとは知らずに結局彼らを裏切ることになってしまった一味のたった一人の生き残り…なんて存在も、とても悲しい。
自分の弱い心のせいで、結局慕っていた兄を殺されてしまった。15年、どんな思いで生きただろうな。復活のためだけに生きただろう、きっとそうでなければ生きられなかったと思うよ、仲間が全員殺されたなんて…自分ひとりのせいで。耐えられないよ、このたった一人の15年の月日が、この人の受けたこれ以上ない罰だよ。もういいよね…。
しかもせっかく仲間も復活して、せっかく兄者の気持ちも分かったのに、それでもやっぱり死ななきゃいけないなんて…あ〜涙が出る、可哀想過ぎる。
でも、この人はもうきっと15年前に死にたかったはずなんだよね…。彼らが復活するためだけに生きた15年間だった筈。もう死んだ方が楽になれるのかもしれないね…。
せめて魂を食われる前に、兄者の気持ちが分かってよかった。きっと幸福な気持ちで逝っただろうからな。兄者の言葉と抱擁で、15年間の苦しみも少しは癒えたかもしれない。

でも、でも兄者〜。
ほんと、なんで抱いてやらなかったんだ…!そうすればあんたたちの運命は変わったはずなのに。兄者が分かってなかったんだよ、この子の弱い心を。兄者一つで支えられてた心だったんだよ。それほど思われていたことを、その質をもっともっと重く受け止めてやっていたらなあ…。
と、もう今更な事を考えずにいられない。

復活した仲間達ももうさきらの事は覚えてないんだろうなあ、命持ってかれた後は。
そんなコ存在してなかったみたいになっちゃうのかなあ。
はー…悲しい。

それはそうと、草薙さんだけは何があっても忘れずに覚えてるんだよね…?
草薙さんって何者なんだろうね、なんでこの人だけ特別なんだろう。
ここもきっと何かあるんだろうと思うんだけど…その辺も興味深いですよね、千の過去と一緒に草薙の事ももっと知りたい。

そんな訳で本当に悲しく切なく号泣するマンガなのですがとにかく夢中になって読めることには間違いないのでめっさオススメです。





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4/29〜5/1
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どうもありがとうございます!

新刊がたまりに溜まっている中、何とかこの岡田屋さんの千の奴だけ昨日読んだんですけどももう号泣で…。でもこれが一番読みたかったんですよね〜。
今日も何か読みたい。

しかし明日…もう今日ですが、色々準備をして、3日には東京に発つのですよ。
東京と大阪と連続で友達んとこに行って来ます〜。今回は長旅です。
結構家をあけるのでブログはどうなるだろうなあ。いつも大体友達んちでも更新してるんだけど、今回私に気持ち的な余裕がないかもしれないな〜。余裕あれば何か更新しますね。
とにかく明日一日、忙しいけど頑張る〜。

拍手等で励ましてくださる方々、本当にどうもありがとうございます。本気で元気貰っています〜。






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Catergory in [comics : あ]岡田屋鉄蔵 comments(2) -
Comment
ヨルコ says : at 2012/05/03 01:34
わ〜都さんこんばんは!コメントありがとうございます〜。
感想読んでくださったんですね、嬉しいです!

本編、号泣でしたよね…。
悲しいやら悔しいやら痛いやらでもう…。

ほんと、しっかりしたお話なので、思う存分読みたいし、思う存分描いて欲しいですけど、続けば続くほど悲しい思いをする主人公達が出てくるのだなあ…と思うと、想像しただけでちょっとしんどいですよね。
そしてその分、都さんの仰るとおり、千も苦しみますよね。
草薙の存在が、千のこれから先にも何かよい影響の与えて、運命が少しでも変わればいいなあ、なんて思います。
says : at 2012/05/02 01:37
本編を2回読んで、2回とも号泣したのに、ヨルコさんの感想を読んだだけで、また泣き出しそうです。本当に岡田屋さんの筆致が素晴らしいお話ですよね。ずっとずっと続けて読みたいと思う反面、千を早く解放してあげて欲しいとも思うジレンマに陥ってます。
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