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真夜中クロニクル * 凪良ゆう

はー…もうなんて言っていいかわからないです。
素晴らしくよかった、もう素晴らしく好きでした、泣きました。
もうほんとどう感想書いていいか全然わからない。

表紙とかタイトルとか見ても…主人公の名前見ても、何となくファンタジーなのかなと思ってたんですよ。現実とファンタジーが合わさったような話なのかなあって。
でも違ったんです。全然ファンタジーじゃなくて、病気を抱えて内に篭った一人の男の子が、自分だけの狭い世界から外の世界へ出て行こうとする、幼い頃から大人になるまでの話だったんです。勿論、一人じゃなくて、この子をずっと好きでいてくれる年下の少年がいて、その子の存在があったからこそなんですけど。
簡単に言ってしまえば、そういう話かなあと私は思うんですが、何だかこう…絵本読んでるような文章というか、表現がなされていて、それはたぶん意識的だと思うんですよね。ファンタジーじゃないんだけど、まるで美しいファンタジーを読んでるような空気感がずっと漂っていて、なんていうんだろう…痛々しい現実が勿論あって、辛いと思う事もキツイと思う事もあるし、ふわふわしているというんじゃないんですよ、ちゃんと現実だと思うんです。でも、触ったら痛い物の形を、まるで抽象的に絵で表したみたいな作品で…その絵から感じる気持ちは見る人によって違って、物凄く重いものを感じる人もいるし、希望を見出す人もいるかもしれない…みたいな…うーんなんて言ったらいいか分からない。
……凄い言っとるけど。

まあとにかく凪良さんの小説で泣けなかった事なんかないんですけど、今回も今回でほんと号泣でしたよ。
これまで読んできた凪良さんの様々の小説と比べても、これはちょっと違う位置にある気がするなあ。どこがどうってうまく言えないんだけど…今まで凪良さんの特徴として私が勝手に思っていたことは、とにかくキャラに人間味があるって事で、読んでてキャラにすごく真実味があって、説得力があって、読んでて疑問がないっていう、これが私の思っている凪良さんの超長所のうちの一個だったんですよ。
けど今回の作品は、またこれまでの、今まで感じていた凪良さんの、地味だけどキャラに生きている感があるっていう…なんかそういうのとは微妙に違った気がするんですよね。だからといってじゃあ今回のキャラに真実味がなかったのかと言われると決してそうじゃなくて……なんつか、希望に満ちていたと思って。
現実より一歩先の、理想とか、美しさみたいなのがあった気がして。

その理想の姿、綺麗な形に、読んでて全然疑問がなくて、その希望を信じたい、未来を信じたい、人の心の優しさを信じたい、と思わせるような…なんかそういう作品だったんですよね、一歩先へ抜け出た感じがするというか。
綺麗過ぎる気もしたんです正直言えば。
全ての事がうまい具合に最後には纏まっていくというのも…その纏まり具合にとても満足できてしまうというのも凪良さんの超長所のうちの一つだと思うんだけども、今回もやっぱそれはそうだと思うんですよね、けど、今回のは本当に、この始まりだからこのラストがあるという感じで、美しく、光に溢れている事がとても必然に思えて、とてもよくできた、とても纏まりのある、切ないけど幸せなファンタジーを読んだ後みたいな読後感に包まれたんですよね。なんかもう、幸せだったんですよね。

はー…前置き長い。
以下ネタバレしながら支離滅裂でしっちゃかめっちゃかだけど感想です。





内容は、紫外線の下に長い事いると皮膚が火傷してしまうから太陽の下に出られない、ニーナという男の子と、彼を一途に好きでいてくれる7つ下の子との、長い時間をかけた恋の話でした。同時に、ニーナがどうやって外の世界と関わっていくのかっていう、ニーナがニーナ自身の生き方を見つめる話でもあったと思います。

もー…私散々書いといてあれだけど、ほんとなんて言っていいか分からないんですよ〜。
もーほんとうまく言えない書けないです、まあうまく言わなくていいんだけど…。

とにかくニーナっていうのが…ちゃんと漢字もあるんですよ、日本の男の子です、カタカナでニーナ呼びされてるんです。紫外線に当たっちゃいけない病気なんです。だから小学校の頃からクラスのほかの子と一緒に外に出て遊べない。それを無神経な担任が病気の事をよく理解せずにニーナを太陽の下に連れ出して、一時間弱でニーナは大火傷。顔中真っ赤に腫れてブツブツができて水ぶくれになったニーナを、クラスの子たちの無神経な言葉が傷つけた。担任含めたクラス中が、汚いものを見るような目をニーナに向けた。それからニーナは妖怪って呼ばれて何年間もひどい苛めに会い、とうとう不登校になって、中学も高校も行かずに自室に篭って成長する。背だけ伸びて、真っ白い肌をしたひょろひょろの痩せぎすに育った18の頃、昼間出歩けないから夜に出歩いている最中に、7つ年下の小学生の陽光と出会う。明るくて前向きで、どんなに邪険にしても懐いてくる陽光とニーナは、それから毎日のように夜に会うようになる。陽光が無理やり押しかけてくるだけだけど、でも、誰とも付き合わない友達の一人もいないニーナにとっては、家族以外で話をする唯一の人間が陽光だった。けど、そんな陽光とも親の都合で離れなきゃいけなくなる。

というのは子供の頃の、初めの頃の話なんだけど、これからニーナが26になるまで、どんどんどんどんニーナが変わっていくんです。小学生だった陽光も成長して、ニーナも成長して、大人になる。それが描かれているんですよ。なんかもう、それだけで幸せじゃないですか?

ニーナの子供の頃…とにかく、ひどいんですよ、世間がね…。腹立って腹立って、どうして苛めるの。どうしてそれをどうにもしてやれないの、周りの大人が。なんかもう、担任も、苛めた奴も許せなくて許せなくて、悲しくてしょうがなかった。一人きりで教室の窓から外を見ていたような子供を、よくも蹴ったり殴ったりできるなって、全く理解できないよ、ひどいよ。どうしたらそんな弱弱しいいたいけなものに傷がつけられるんだろう。苛めのシーンを読むのがやっぱり辛かった。
ニーナは子供の頃の経験から自分の容姿にひどいコンプレックスを持つようになってしまって、本当は物凄い美形ならしいんだけど、自分の事を醜いと信じて疑わないんですね。顔を見られたくないから髪を伸ばして顔を隠す。人に会いたくない、顔を出したくない。もうこれがとにかく根底にあって、18になったニーナは喋るのも苦手だし、人と会うのも勿論苦手だし、物凄く内に篭った青年になって、だけど繊細で、傷つけられたくないという思いが強くて、だからプライドは高い。プライドを高く保ってないと、落ちてしまうのがあっという間だからだと思うんですよね、苛め抜かれた日々があって、一人ぼっちで。これ以上惨めになりたくないから、自分を守るために、プライドを保とうとする…。

そんなニーナが出会った小学生、陽光。この子の存在が本当に、ありがたかった。
とにかく明るいです。前向きだし、本当に素直で、ニーナをとても好きでいてくれる。とにかく一途に好きでいてくれる。それは、何年経ってもずっと変わらないんですよ。本当になんか…陽光の存在自体が、まるで夢みたいというか、とても美しかったんですよね。

二人で車に乗って逃げるシーン。二人であぜ道に寝転がって夜空を見ているシーン。
全部とても、背景に紺色の絵の具が見えるようなシーンだった。
それから、日の光に当たってしまって、顔を火傷して泣きながら座り込むニーナ。今思い出しても涙が出ます、胸が痛くて痛くて、どうにかしてあげたくて。そんな時に陽光が、やけどを負っても綺麗だとニーナに言ってくれる。
このような、陽光みたいなことがいえる人間がいるかどうか分からないですよ、もしかしていないかもしれない。綺麗過ぎるかもしれない。けど、好きな人が傷ついて泣いていたら誰でもそう言ってあげたくなるんじゃないだろうか。醜くない、綺麗だから泣かないで、と必死に言ってあげたくなるんじゃないだろうか。
陽光の存在は、できすぎているのかもしれない。けど、こんな人間が居たことで、物語の中で、ニーナという自分の小さな世界から出られずにもがいていた青年が救われて、外の世界に出る切っ掛けになったのなら、それでいいじゃないかと思うんです。陽光は絶対必要だった、ニーナに必要だったし、この物語の雰囲気は、ニーナだけじゃなく、陽光の綺麗な心が作っていたと思います。
だから、全力で陽光を肯定したい、ありがたいし、陽光が好きです。
ニーナが泣くたびに、陽光はごめんねごめんねって謝るんですよ。幼い頃から成長した後になっても、「ごめんね」って。陽光にとってニーナは、年上だけど、愛すべき愛しい存在で、傷つけたくなくて、守りたくて、そういう一途な気持ちが陽光の「ごめんね」に凄く表れてると思って…陽光が「ごめんね」って言うたびに泣きたくなった。切なくて…凄く優しい気持ちが溢れてきて。

ここじゃないどこかへ逃げ出したいって、いつも、子供の頃からずっとニーナは思って成長していて、だけど結局ニーナはいつでも自分の世界から外に出た事がなかったんですよね。
明るいうちには外に出られない。大火傷した時の周囲の視線が忘れられなくて、周囲の視線が怖い。傷つけられるのも怖くて、外に出る勇気が出なくて、常に自分の部屋から出ない生活。
こんなニーナに、頑張って外に出ろなんて勿論言えない、陽光だって言わない。陽光はただ、一緒にいてくれるだけなんです。ニーナに何も求めない。何をしたいというでもないし、どうしろこうしろと言う訳でもない。ただ側にいてくれた。ただ側にいてやる事が、その時のニーナには必要だったんだろうと思う。
だけど、ニーナも成長するんですよね。
それは、音楽で食べていくようになったり、好きな人を失いたくないという思いだったり…自分の世界が広がるたびに、今までの自分ではいられなくなる。それは、誰だってきっとそうであるように、ニーナだって、閉じこもってばかりではいられなくなってくる。自分だけの世界を一歩出たら、途端に見えてくる、自分の世界がいかに閉ざされていたのか。
時間をかけて少しずつ、ニーナは自分にとって陽光という存在が何であるのかを理解していくんですね。本当に時間が掛かったんだけど、でもそれはニーナにとっては精一杯のペースだったようにも思うな。これ以上早くは絶対無理だったと思う、むしろよく気付いたと思う、よく陽光への気持ち、陽光の存在、自分と陽光の関係について、ちゃんと考えたなって、あんなに内向的で、自分を誰にも見せられなかったのに。

結局、陽光を好きだという思いが、ニーナの世界を一歩外に出したんですよね。
陽光が外に出ろって言ったんじゃなくても、結局ニーナの世界を広げたのは、陽光だと思う。勿論、ニーナ自身でもあるけども。でも、二人で一つだというくらい、陽光と出会ってから生きたニーナの8年から、陽光を切り離して考える事はできないんじゃないだろうか。二人とも、全てのことにお互いが関わっている気がする。何をする原動力、何をする切っ掛けにも、お互いが入り込んでいる気がする。
初めは痛々しいばっかだったニーナだけど、成長するにつれて、凄く安心できる要素が増えてって、しっかり生きている場面を見るごとにホッとしたなあ。

で、後半は陽光がうまく行かない仕事の事にとても悩んで悶々としてて、後半の陽光の葛藤は、陽光がフェアリーではなかったという証になったと思いました、ますます陽光を好きになった。
中途半端に守りに入っている自分についてぐるぐる考えるとこなんて、なんかもう身につまされるというか…。全てを捨てる勇気もないけど、それじゃあ全てを0からやり直してみるという気概もない。それで今の場所で、このままじゃダメだと思いながらしがみつこうとしている……みたいな…なんかもう、悩みが現実的すぎて、ため息出た、とても他人事とは思えなかった…。
そんな風にぐるぐるしている陽光は魅力的だった。それでもニーナには絶対弱み見せなくて、それはたぶん、好きな人の前ではカッコつけていたいという、ただの見栄だと思うんだけど、でも見栄を貫いて絶対弱いとこを見せようとしない陽光は、全然みっともないと思わなかったし…だからと言って、ニーナに弱みを見せた陽光をかっこ悪いとは思わない。一生懸命自分のいる場所、自分の行く道について迷っていて、悩んでいる人を、カッコ悪いとかみっともないとか、絶対思わない。そういう陽光も輝いていると思う。
自分の仕事に悩んで、ニーナとの関係に悩んで、色々行き詰って、陽光が初めてニーナを遠ざけるとこがあるんですよね。
会いたくないって言われたその一言で、ニーナが物凄い傷ついて泣くんだけども…私だって号泣。
も〜〜泣いた!!
陽光に甘やかされてくるまれて愛されて愛されて何年も一緒にいたから、その陽光から言われた、会いたくない、は恐ろしくニーナを突き刺しただろうなあ…。凄く可哀想だったんだけど、でも、ニーナには陽光から突き放される事も大事だったと思う。陽光が自分にとってどういう存在だったのか、よくわかっただろうと思うから。陽光が努力しなければ続かない関係だったんだって事が、よく分かった訳だし。

ニーナがずっと陽光との関係を自分で認められないというか…恋人という関係に落ち着くのを怖がっていたのは結局、そういう形を決めて、いつか陽光を失う時が来るのが怖かったんじゃないだろうか。形を決めた瞬間から、最後に向かって走っていくようなもんだから…。
ピンクのチューリップがニーナの心をずっと支配してたように…自分とはまるで正反対の綺麗で明るく可愛いもの、それはニーナがいる場所とは違うあちら側の世界にあって、ニーナは、陽光の住んでいる世界に自分は絶対に行けないという、行けないし、行かないんだという、諦めたような気持ちと、拗ねたような気持ちをずっとなくせないでいて…それがずっと根本にあったんじゃないかという気がするんですよね。勿論、怖いから。傷つきたくないから。

ニーナが自分の恋心をはっきりと形にするのは随分後なんだけども、それまでに行きつく陽光との時間の中で、控えめに発せられる陽光への思い、それが分かる文章やシーンが、とにかくとてもいじらしいんですよ、凄く可愛くて…激しく求めたりするんじゃなくて、自分だけの小さな世界に閉じこもっていたニーナの、本当に控えめな、小さな衝動、とても些細な愛情表現なんですよ、そういうのが随所にあるんです。二人が常にいちゃいちゃしているわけじゃないし、陽光はニーナに恋人にしてもらうまでに凄い時間掛かって、ただ一緒にいるだけの、淡い淡い恋なんだけども…キス一個にだって時間掛かるような関係なのに…なんでか凄く、二人が愛し合ってるんだっていう…そういうシーンを連続で読んだような印象なんですよね。一緒に寝ているだけ、二人が笑いあっているだけで、優しく可愛いラブシーンを読んだような気持ちになるというか。

やー…いい小説だったんですよね〜…。とにかくなんていうか…この優しさが好きなんです。
未来が信じられること、きっと明るい未来が待っていると思えること、きつい事はいっぱいあるんだけど、それでも陽光がいて、彼を信じられること、陽光の優しさや、彼の一途な気持ちが、この作品全体と、私の気持ちをたくさん救ってくれていて、暗い一人ぼっちの場所に落ちいりそうになっているニーナを、彼が何度も何度も手を掴んで引き摺り上げたみたいに、読んでいる人の心や、このお話の雰囲気も、何度も何度も救って繋ぎ止めて、優しく癒したような気がするんですよ。

あー…支離滅裂にいっぱい書いたんだけども、違うんですよね。
こんな事が言いたかったんじゃない。…とか言っちゃうねこんだけ書いといて!
けどうまく言えないのです。
まあとにかく凄い泣いた。
いっぱい泣いたのでどこでどう泣いたのかやっぱりよく分からないな。

凪良さん素晴らしいです。
あとがき読んで、この作品に対する思いも伝わってきたし、なんか憧れてしまったなあ。
これが全てだと仰る凪良さんがとても好きです。私、この世界観がとても愛しいです。





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11〜13
スイーツキングダムの王様 * 砂原糖子  ワンウェイの鍵 * 梅松町江  ディア・グリーン * 富士山ひょうた  圧倒的ダーリン! * 大和名瀬  純情1 * 富士山ひょうた  きっと夢みるヤマアラシ * もろづみすみとも  5月CHECK!!

以上の記事と携帯とサイドのボタンから拍手を頂きました。
どうもありがとうございました〜。今回も携帯からたくさん頂きました、ありがとうございました。

圧倒的ダーリンちょうど読み返してたとこでした。
やっぱ何回読んでも最高に面白いですね〜。




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Catergory in [novels]凪良ゆう comments(0) trackbacks(0)
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