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西田東をランキングする。

西田東さんと言えば勿論、ここにしかないオリジナリティを持った素晴らしい漫画家さんです。そんで私は西田東さんが大大大大好き!
この間出たディビジョンが本当に面白くて、年間ベスト10でもかなり上位に食い込んできそうなのです。そんな名作に出会えて興奮しすぎた私は、これは西田東さんを特集するべき!!と勝手に思い立ったのでした。

ちなみにここを見てくださってる方にどれほど西田さんファンがいらっしゃるか分からないのですが、カテゴリ別のアクセスを見ると、西田東さんはかなり検索されているし、かなり見られています。毎年上位なんですよね。私が好きだから、きっとここを見てくださってる方々の中には西田さんを大好きだと言う方も多いはず!そんな思い込みに後押ししてもらいつつ、西田東全作品ランキングをやっちゃおうと思います!今日の私は超解放感!!!

西田さんの魅力のひとつと言えば、やっぱりこの、一般受けしそうにない、絵だと思います。
私の友達にも絵がダメだからどうしても読めない…と言ってるのがいるし、うん、そういうの分からないでもないです。私だって黒髪の大きい目の小さくて可愛い子、やっぱり見た目的に好きじゃないし。だからそういうの避けてるし、絵があんま好きじゃないから読んでないってマンガはいっぱいあるし、まあ人ぞれぞれいろいろあるからしょうがないですよね。別にそれを読まなきゃバカ認定!って訳でもないし、読んだからって高尚だって訳でもないんだし。

ただ、ただ私は西田東のこのヘタウマは、超魅力だと思ってます。
この絵があるからこその、西田東なんです。もしこの同じストーリー、同じ話を、物凄く美麗な絵を描かれる作家さんが描いたとしたって、やっぱりそれは別物になると思うんですよ。
西田東の作品は、西田東がこの絵で描くからよいのです。
ここに描かれている、細くない美人じゃない花のない男くさいキャラ。彼らが、その容姿で、"恋"をする。…と、いうところに何とも言えないこっぱずかしさや哀愁があるんだと思うんです。
大人の男の、みっともなかったり情けなかったりする姿、小汚く生活感に溢れている姿、それでも恋をして、嘆いたり喚いたりする姿。…が、胸を打たない訳はない。
胸を打つんです。
泣けるんです!!

と、言うわけで西田東さんを特集です。

まず、作品ごとにランキングします。
私コミックスは全部持ってると思うので、このコミックスになった作品の中から、コミックスごとではなくて、作品ごとに選びます。

以下長いので畳みます。





1位 『目を閉じないで


この本の表題作が1位です!これまでたくさん西田さんのマンガ読んできたけど、やっぱりこれが一番好きです。一番面白い。遊びなれているふりをしているけど実は誰かに愛されたくてたまらない寂しがり屋のゲイの男が、会社の上司を好きになってしまう。何でもないただのおっさんなのに、彼を好きになってしまって、その気持ちを持て余すんですよ。普段は格好つけてるのに、恋した途端にあまりにみっともなく崩れてしまって、好きな人の前で醜態を晒すんですね。この生身の感じが堪らなく愛しくて、たまらなく泣けるんです。恋をするってこういう事なんだろうなと思うような、もうほんと素晴らしい名作。今ぱらっと捲っても泣けた。この話が1位!大好き!ちなみにミニストーリーが 『恋をしましょう』に書き下ろしで載ってます!




2位 『ディヴィジョン


やっぱこれです!
この間出た新刊なんですが、これ本当に面白かったです。感想はあっちにガッツリ書いたので…いや本当は全然良さを書ききれてないと思うんですけども、とにかくなんか、ゴオーーーーと強い風が通り抜けるように面白かったです。ワクワクドキドキキュンキュンしくしく…って感じで、えーらい感情を揺さぶられて、でも最終的に凄く爽快で、とにかく面白かった。楽しかった。ロードムービーみたいに、二人の男の異国での旅を読ませてもらった気分で、その中で駆け引きがあったり、過去が見えたり、騙したり、信じたり、喧嘩したり、セックスしたり……。もうたまんなかったです、一冊の中に色んな感情と、色んなストーリーがはめ込まれていて。後から来て2位を攫っていきました。面白かった!




3位 『願い叶えたまえ

評価:
西田 東

評価:
西田 東

評価:
西田 東

これです!これはもうくどくど説明が要らないですよね、本当に面白くのめり込んで読めて最高でした。なにやら過去も先も分からない深見という男の周りでヤクザの抗争があり、真面目な青年が恋に落ち、一体この短髪のヤクザ男のどこにそんなにも魅力が!?と、思うのですが、読んだら分かる。深見は本当にエロくて放っておけないフェロモン垂れ流しの男でしたよね!この男にこんだけの色気を乗せるっていうとこに凄さを感じます。他の誰も、深見のキャラで深見の魅力を描ける人はいないと思う、素晴らしい。




4位 『影あるところに


素晴らしいんですよこの話が〜〜。私の初めての西田東さんでした。これを初めて読んだ時、あまりに自分がこれまで体験した事のない絵のセンスだったもので、正直ちょっと拒否反応でして、あんまり真剣に読めなかったんです。けど、少し経って読み返してみたところ、号泣でした。最高でした。孤独な医者先生が、たった一つの愛情をなくして、だけどその相手の息子により、再び愛情を取り戻す…というような、本当に泣いてしまう名作なんです。




5位 『連れていってくれ』(『恋をしましょう 』収録)


この本の中に入っている短編です。この話、ほんっとうに名作です!素晴らしい短編です。
尊敬して大好きだった先輩がアルコール依存症になってしまった。彼を好きだから彼を助けたいし彼の面倒を見たい。だけど元気になったら彼は奥さんの元へ帰ってしまう。依存症のままなら自分の側にずっと居て、彼を自分の物にできる…。と葛藤する後輩の、愛情も見えるし、人に対する執着の恐ろしさも見えるし、短編だけど色んな側面があって、出てくるキャラそれぞれが生きていて見過ごせず、重い内容ではあるけども、やっぱりとても恋愛マンガです。最高に面白いのでオススメしたい!




6位 『パラダイス・パラダイス』(『ラブストーリー』収録)


この本の中に入っている、同時収録の前後編です。これがまたさいっこうに面白いから!なんかこういう、男二人の鬼気迫る精神的な駆け引きとか、食うか食われるかみたいな恋愛の話、西田さん最高だと思います。この話は無人島に流れ着いてしまったサラリーマン二人の話で、冴えない上司が無人島で眼鏡外してスーツを脱ぐと、えらいワイルドでカッコよく見える、冷めたふりした実はゲイの後輩は、上司を意識して意識して…という、もうとにかく視線の中に含んでいる、相手を読もうとする、暴こうとする、そして見せまいとする、駆け引きみたいなものがたまんないんです。その中で後輩が彼に抱かれたいと思いはじめるというのが、なんともドキドキするし、何だかもう切なくて泣けるし…。この話も名作!




7位 『ドント・クライ・マイ・ベイビー』『ラブソング』(『ドント・クライ・マイ・ベイビー』収録)

この本の表題作。これは本当に大人の男の不器用な可愛さに、凄い泣けるいい話なんですよ〜!現実に折り合いをつけていて、実は男が好きなのに、そんな自分を隠して押さえつけて生きている。本当は生きたい自分の姿っていうものがあるのに、それでも建前では自分は会社でそれなりの地位にあり、男を好きだと、抱かれたいとは言えなし行動できない。自分の性を押さえつけてきた人の、勇気のいる恋の話なんですよね。自分で自分を認められないってとこから来る全ての行動がいじらしく可愛くて、それを気の良い若者が、大らかに受け入れてくれる。本当にキュンと来るラブストーリーでした、これも最高!…今読んでまた泣いた…。




8位 『隣の部屋で』(『彼の肖像』収録)

評価:
西田 東

この中に入っているこの短編が、最近の西田さんだったらあんまり見ないような、とってもキュンっとするラブストーリーで大好きなんです。会社の寮の隣同士の部屋で、ゲイとノンケが意識しあう男同士の話なんですが、友人付き合いをしていたノンケの男に、自分がゲイだと知られてしまって避けられて…という、切ないんですけどこの人が不器用にも自分の気持ちに気付くのが凄く遅くて、なんともキュンっとするんですよ。この短編、なんでか他のとちょっと毛色が違う気がしている私…なんでだろう?でも、大っ好きなんです。初期の話の中ではとにかく凄く好きで、何度も何度も読み返して、今読んでもこのストーリー的には地味な話が、やっぱりとても面白いと思うんです。ちなみにその後に入っている続編、『隣でヘアが』というちょっとギャグい短編も大好き。ちゃんと恋人同士やってんだなーって思うと嬉しくなります。




9位 『DIRT』(『恋をしましょう 』収録)


この本に収録の短編です。銀行強盗とその銀行の支店長の、息詰まる攻防…の筈なんですが、なんでこんなにエロいのか!これ本当に秀逸だと思うんですよね。強盗に押し入ってきた歯が一本欠けている男。その男に押さえつけられながらも、支店長は彼の歯の間に開いた暗い穴を見つめ続ける。自分の歯を見つめる支店長に、いやらしい視線を向ける男。二人して一体何を隠し持っているのか分からないというところが、物凄くハラハラしてワクワクして、ドキドキするんですよね。で、エピソードの小汚さとか、卑猥さ。そういう汚いもの、卑猥なものって、物凄くいやらしいですよね。エロスと密接してると思う。この話、なんかそういう感じ。凄くよくできた短編だと思います!




10位 『オレがいるから』(『見つめていたい 』収録)


あれ!10位になっちゃった!!なんか凄く低い順位!!
…って感じがするほどこれも大好きな話なんです。この本の中に入っている前後編なんですが、西田さんにしては珍しく、高校生同士の話なんですよ。一見キリっとしててカッコよく見える男子が実は相当へタレで、いつもちゃらけている男は彼のヘタレなところを見て、彼が気になって助けてやりたくなって…という話で、ヘタレた子のいつもの顔とのギャップも、ちゃらけた子の茶化したところも優しいところも凄くよくて、そんでとてもキュンっとする、エロさもあるし淡い気持ちもあるしで、ほんと大好きで何回も何回も読み返した話です。




…という訳で、10位まではこんな感じになりました。
タイトルを全然覚えてないので、今回はじめてタイトル知ったって話も多くて、これタイトルだけ見ても私自身なんのことやら…ですけども、とにかく内容は本当に10個絞るのが難しいくらい名作揃いでした。

なので次点も上げと来ます。


『女房の恋』(『ドントクライマイベイビー』収録)
おっさん部長に恋してしまう部下の健気でひたむきな思いに泣けます!途中まで気持ちを完璧に隠している、顔色を徹底的に変えないというのが、とても切ない〜。


『いちばんの愛』(『素晴らしい失恋』収録)
社長と秘書の、おっさん同士の恋なんですが…泣ける!社長に対して抱えている思いを吐き出せず見知らぬ男に抱かれるおっさん。そしてそんなおっさんを手元から放さず可愛がっているくせにそれ以上の事をしないおっさん。おっさんとおっさん。なんでこんなに泣けるのか!もうほんと素晴らしい!


『仁義ナシ!』(『もろとも』収録)
チンピラと刑事の話で、これも大好き〜。ちゃらちゃらしたふざけたチンピラの人のよさと可愛さがよくて、仏頂面だった刑事がこのチンピラに抱かれちゃうっていう最後の意外性といい、凄く面白い!


LIFE,LOVE 1
2巻になるとちょっと失速した感じがあるにはあったんですが、とにかくこの1巻の疾走感ったらなかったと思うんですよね!もうたまらなく面白くて、ぞくぞくしてわくわくしてハラハラして…エロくてドキドキして…一冊で色んな感情をうわーって味わったような面白さ。映画見た後みたいな満足感でした。


『快楽の地』(『素晴らしい失恋』収録)
何とも色っぽい話で大好きです。異国の地で侵され、その晩知り合った男と一夜限りの恋をして…。けど、一晩限りに見えたその恋は、まだ続くのかもしれないという。先の見える終わり方もよかった!






…と次点をあげてみたのですが、そんな事やってるともう全作品上げなきゃいけないくらいなのでもうやめます。まあとにかく大抵みんな素晴らしいのです。

そしてここで、西田東と言えば爆笑のあとがき。
私は西田さんのあとがきで、本当に転げまわって声が出なくて息が苦しいくらいに笑ったことが何度もあります。私、よく泣くけど、よく笑うんです。ついでによく怒ります。
そんな私なので、やっぱりここは、西田東あとがきランキングをやろうと思います。

これは、爆笑ランキングです。大笑いした大好きな後書きをランキングしてみます。
お時間のある方は、西田さんのあとがきでも捲って楽しい気分になってみるっていうのはどうでしょうか?



あとがきランキング

1位 ドント・クライ・マイ・ベイビー のあとがき。

これは歴史に残る大爆笑です。とにかく何がおかしいって、羊飼いです!!!!!
なんかようわからんのが出てきたと思ったらいろいろ突っ込んでいる。突っ込んでいる間も可笑しかったのですが…消しゴム落ちて立たずに拾うよね…。立った方が絶対早いのにね…とかとにかく大笑いしていたのですが、結局このよう分からんものが羊飼いだったなんてーーーー!!!誰が想像しようか!!!そんで後で役に立たないメモを残すこともあるあるある…って感じでもうなにやらとにかく、爆笑に継ぐ爆笑で、隣に寝ていた人がうんうんうなされるくらい大笑いしたのでありました。


2位 願い叶えたまえ1  のあとがき。

ボーイズラヴ覚書…。顔に丸みを帯びた受の絵に、爆笑しました。ごつい人、出しても出しても抱かれる方!って!!!
しかしこの攻は受より背を高く!とか、受は顔に丸みを…とかがBLの基本なんだったら、そりゃ私はイバラだわ。ほんとクソつまんない基本。


3位 願い叶えたまえ3 のあとがき

スーツとメガネとインテリマッチョオヤジフォー!!
って何!!!!もうおっかしいったら、そんで印象的なポーズで出てきた攻と、マッチョっぽいオヤジのうるうるした絵に大爆笑でした。
このあとがきは本当に秀逸!!小さいトコもいちいち全部ブラックで笑えます。こんな皮肉なあとがきを書いてくれることが嬉しい。しかも本当に笑える。
…いや、私は皮肉としか思えないのでそう書いているのですが、そう受け取らなくてもとにかく面白いです!
"執事カフェの話題に乗っかる"とかウケる…!


4位 恋をしましょう  のあとがき

にょろりんぱ乳毛虫。…無センス!!!この無センス加減!!最近おっさんばっか描いてるっつうのも笑ったんですが、結局最後におっさん出てきちゃってんのにまた吹き出しました!おっさん出て来んなや!って!


5位 LIFE,LOVE 1 のあとがき

異世界における桜餅。


6位 奪う男 のあとがき

男前を描いてるつもりなのにい〜〜のコマに大爆笑したのでした。


7位 見つめていたい  のあとがき

こわいおっさんに大爆笑!


8位 彼の肖像 のあとがき

なんでサンバ!?


9位 もろとも のあとがき

オオアリクイが走るところの真似。


10位 願い叶えたまえ2  のあとがき

マンガの化身。ってそもそも何!?





は〜〜〜…今全部見返してえらい笑ったところです。疲れた。
つくづく思うけど、西田さんみたいな作風の方は、BL界に二人といません。西田東さんは末永くBL界で活躍していただきたい、財産だと思うんです。強く強く応援していきたいと思います。

そんな訳で泣いたり笑ったりしながらまとめた西田東さんランキングでした。
楽しかった!





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Catergory in [comics : な]西田東 comments(2) trackbacks(0)
Comment
ヨルコ says : at 2010/11/25 17:56
真弓さんこんばんは!

西田東さんランキング、楽しんでいただけてなによりです。

"男の泣きっ面"まさにその通りですね、西田さんの描く男が泣いている姿って、しくしく切なそうに…とかいうのじゃなくて、本当にみっともない"泣きっ面"ですよね。
でもだからこそ胸に響くんだろうなあと思います。

最近ますます色気が出てきた…というの、何となく分かるような気がします。絵が少し変わられたっていうのもあるかもしれないですが、なんていうか…やっぱ色気って言うんでしょうか、最近今までにまして凄くいいですよね。

情熱迸りすぎて恥ずかしいような気がしないでもないですけども、まあ今更ですね。
私も自分で書いて偉いテンション上がって何冊か読み返してしまいましたー。

こちらこそ読んでくださって嬉しいです。
またぜひ遊びにいらしてください!

真弓 says : at 2010/11/25 09:40
ヨルコさん、こんにちは。「西田東をランキングする。」大好きな作家さんなので、ワクワクしながら読みました。すご〜く楽しかったです! 「男の泣きっ面」を描かせたら西田さんの右に出る人はいないと思うんですよね。最初に読んだ「奪う男」が衝撃的で一気にファンになりました。涙と鼻水でグチョグチョの顔で好きな相手にすがりつく男のいじらしさ、みっともなさ、可愛さに胸がキューンとなります。「願い叶えたまえ」は読み始めたらやめられなくなって、ほとんど夜明かしして読んでしまった数少ない漫画の一つです。深見のあの色気、もう犯罪ですよね。西田さんの描く男たち、最近ますます色気が出てきたように思いませんか? 新作も楽しみだし、旧作も何度も読み返したくなります。本当にBL界の宝だ! ヨルコさんの情熱ほとばしる文章を読んで、西田さんをまた読み直したくなっちゃいました。素敵なエントリーをありがとうございました。また遊びにきます。
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