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王子の帰還 * ぢゅん子

王子の帰還…なんていうからどんな話だろうと思ってたけど、普通の年下攻で凄く好きなテイストでした。
何年ぶりかで会った従弟が、子供の頃と変わって王子様のようにカッコよくなっていた、という話で、自分よりカッコよくなってしまった年下に、一途に慕われてしまうという展開が自分好みで面白かったです。

同時収録もキュンっと来る瞬間がちょいちょいあって、読んでいる最中は、特に最高!とか凄くいい!とか思いながら読んでいた訳でもないんだけど、読み終わってみると、3作品入ってるんですけどどれも粒揃いで良かったなあという感想でした。
表題作は短すぎたので、もうちょっと長ければきっともっと、受の年上にキュンっとなったんじゃないかと、そこが勿体無い感じがしたんですが、後の二作品は両方とも2話〜3話入ってて、しっかり読めた感じがするのでよかったです。読み終わった後に、満足感がありました。
やっぱぢゅん子さん、キュンと来る展開がいいなと思います。目が大きすぎる絵で、私あんまり大きすぎる目とかキラキラしすぎている目とかって好みじゃないんですけど、ぢゅん子さんのは可愛いなと思うし、よく変わる表情や泣き顔が可愛いので好きです。

以下ネタばれます。




表題作は、年下の従弟と物凄く久しぶりに再会したら、でぶっちょでドン臭い子供だった筈の従弟は物凄くカッコよくて爽やかで頭のいい大学生になっていて、まるで王子のようだった。だけど、その昔従弟に憧れられていた自分はと言えば、今はしがないサラリーマン。上司は嫌みったらしいし、仕事では失敗するし。自分に自信がなくてクサクサしているそんな時に、カッコよく成長した従弟が自分を好きだ好きだと慕ってくる。彼に好きだと言われて、憧れだった、目標だった……と言われれば気持ちがいい。仕事で嫌な事があっても、従弟に好きだと甘やかされれば安心する。自分を認めて、崇拝してくれる年下の男に、流されるまま抱かれる日々がつづき…

と、いう話。
ほんと短いのが凄く残念なんだけど、こういう設定が凄く好きなので楽しめました。
昔そんなでもなかったのに、成長してカッコよくなって受の前に現れるなんて、年下攻の醍醐味ですよね!でもでぶっちょ時代の絵が相当で…笑った。そこまで?
短いからか、オチがなんつうか、「プリンセス…」とかいう従弟の寒さを強調して終わってチャンチャン!って感じだったのが、ちょっと物足りなかったなあ。
年上の受が、自分はもうおまえの思っていたような俺じゃない、つまんない男だ、おまえと一緒にいると自分が惨めになる…!と訴えるところくらいまでは、凄く入り込んで読めたんですよ、いい雰囲気だったんですよ。でも最後が攻の残念っぷりを強調して終わっちゃったので…問題がうやむやにされた感じがするよ…。
この話は最後に書き下ろしがついていたので嬉しかった。

同時収録の幼馴染みの話、これが凄い面白かったんです。
凄く面白かったんですけど、あの〜…受か攻か凄くはっきりしなくて、私は始めは黒髪の方が受だと思っていたんですけど、やっぱり読んでると違うなと思えてきて、黒髪は攻じゃないだろうかという疑惑が出てきたら、なんつうかなあ…。あくまで私の話なんですが、同じ台詞でも、"受"が言えば凄い泣くんですよ。でも"攻"が言ったら泣かないのです。そうじゃない場合もあるんですが、大抵の場合私は、"受"の言動でキュンッッと来たり、ズキッと来たりしているわけなんです。なので、受か攻か分からない話の場合、キュンどころを逃すんですね。その同じ台詞を言った奴が、受だと分かっていたら確実にキュン泣きなんですよ。でも攻かもしれないと思うと、キュンと来損ねるし、泣き損ねる。
……と、言うのをですね、この話を読みながら気付いたんでした。

凄くいい話で、面白かったんですよ。私の涙腺スイッチを押しておかしくない台詞に表情が溢れていた…にも、関わらず、終わってみると泣かないし内臓あんま痛くない。何故だ!と考えて、分かったこの健気で切ない立場の黒髪が、攻っぽいからだ!
と、なったんです。

内容は、幼馴染みの友人同士だったのに、片方が自分の知らない間に、いつのまにか変わってしまっていたと。いつまでも自分の知っている、ずっと隣に居て面倒見てきた幼馴染みの顔しか知らなくて、変化なんて考えた事もなかったのに、いつのまにか、幼馴染みは恋をして、自分の知らない顔をするようになった。彼を変えたのが自分ではないと思うと苦しく、漸くそこで、自分の幼馴染みへの気持ちは恋だったと気付く。
という話で、凄く良かったです。黒髪の方が抱えている切ない気持ちが凄く想像できてしまって、あと短髪の方も、変わっていく表情とか凄く真摯でよかったな。初めは幼馴染の事を何とも思っていなかったから、表情も呑気なんだけど、恋をしたと気付いてからは切ない顔や苦しい顔を見せ始めるんですね、その変化が凄くよかった。

あともう一個の話。仲良し三人組で、AがBを好きになり、だけどBには彼女ができる。失恋決定のAを慰めていたもう一人、Cが今度はAを好きになる。…という、三角関係の話。
とは言っても、一番初めの話は、主人公の子が友達を好きになって、叶わないその思いを思い知るという短編です。その話もなかなかにキュンとしていいんですが、メインはやっぱ、この子が振られてから、慰めたり相談に乗ったりしてくれていた、もう一人の友人が、主人公の子を好きになってしまうという、この話が凄く面白かったです。
ふられたばっかで、しかも友人をそんな風には見れなくて戸惑う子に、攻の子がもう強引に真っ直ぐ気持ちをぶつけてくるんですよね。このストレートさがカッコよくて、自分を選べと迫る強い意志もありつつ、だけど諦めるべきだ、と思ったら近付かないように身を引く…という潔さもある。カッコよすぎるんですが、そんな風にされて、受の子は気持ちを散々にかき回されて、まんまとこの子に落ちてしまう。悩んでいる受の子の表情がいいです、傷ついた顔とか落ち込んだ顔とか、泣き顔も戸惑った顔も、全部凄く一生懸命でイイ。
最後のキスシーンも可愛かったなあ。




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Catergory in [comics : た]ぢゅん子 comments(0) -
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