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花は咲くか 1 * 日高ショーコ

凄い印象的な表紙。綺麗な若い男の人のアップで、視線に雰囲気があっていいです。何が始まるのか凄くドキドキする。

まだ1巻だし、何事も始まっていなくて、状況説明と、出てくる人たちを理解するのに精一杯な一冊だったので、これから先を読まなきゃまだまだ何とも言えない感じです。今のところドキドキする瞬間もないし、切ない瞬間もやってこない。とにかく続きを読まなきゃ何も始まらない気がする。

ただなんつうか、この雰囲気作りが本当に上質な感じがするのは…やっぱり凄いなと思う。主人公のサラリーマンのおっさん…って言ってもまだそんな歳いってる訳じゃないんだろうけど、やたらと疲れていて守りに入っているので、凄くおっさんくさい。この人の人生疲れっぷりっていうのが、言葉で説明してはいないのに、凄く伝わるんですよね、物語から。読んでいて自然と伝わる、この人が抱えている状況とか、背景。読んでて見えるっていうの凄いと思うんですよね、大した説明があるわけでもないのに。視線とか、物の考え方、諦め方に、この人自身が凄く表れている。
主人公のおっさんは、とにかく凄く人間らしかった。疲れていたり、お人よしだったり、意外におしゃべりだったりする。この人が戸惑ったり怒ったりイラッとしたりする瞬間が、凄くあのー…浮いてないっていうか、地に足がついている。現実的で、生きている感じがする。出てくる人、一人一人が全部ちゃんと人間らしくて浮いてないのが凄い。全員しっかり生きているし、都合のいいキャラがない。
雰囲気が凄くいいんだけど、決して雰囲気マンガじゃなくて、ちゃんと人としてのリアルを感じるんですよね、そこが上質だなあと感じるところだろうか。
…っていうかもう、絵が素晴らしいですよね…!


以下ネタばれます。




内容は、古い家に住む無愛想で冷たい青年と、偶然知り合ったサラリーマンとの交流、みたいな話です。勿論恋愛に発展するんですけど、反発する心が、気になって仕方がないというような興味になっていって、いつしか相手に惚れている、という心の動きを凄く凄く丁寧に追ってあるので、まあなかなか進まない。
とにかく一巻では、桜井というサラリーマンの、仕事に対する姿勢とか、蓉一と言う何を考えているのか分からない青年に対する複雑な気持ちとかが、リアルに描かれております。なので、全く色っぽい事もなく、ドキドキするような事もさっぱりないという…。
まあこれからです、これから。
しかし桜井があまりに普通というか、よく喋るとことか、お人よしで意外にマイペースなので、そういうところに結構笑いました。蓉一って青年が、ほんと桜井に対して凄く辛辣で口が悪いんですよね、桜井はそれにいちいちムカついてはいるんだけど、ムカつきながらも大抵言いくるめられていて、口で勝てないとこがおかしかった。
彼女と別れて一人になって、仕事の仕方も守りに入っているような感じで、いつもオーバーワーク気味の桜井。常に疲れているし、仕事を凄く楽しいという顔もしていないのに、常に常に頑張りすぎている。そんな独身男が疲れすぎて電車でフラフラになっている姿に何とも侘しいものを感じる。この人どうにかしたらいいのに。…と傍から見ている余裕のある私は思うが、まあどうにかするもなにも、どうにかしたいとも思ってないだろう。
そんな男が、若い男に恋をする。
恋をする、と言っても一朝一夕に恋に落ちる訳ではなく、蓉一と不本意ながらも何回も会って話すことになり、気になってしょうがなくなって、笑顔を見たいと思うようになり、考えている事を知りたいと思うようになって…そういう過程を経て、落ちてしまう。
桜井さんの表情がいちいち良かったです、印象深かった。
蓉一は綺麗な青年でした。

番外編の、蓉一の従兄弟たちの話が切なかったなあ。
子供の頃の菖太が、ちんまり座って折り紙折ってる姿が、物凄く悲しかった。元気で物語の潤滑油みたいな感じの役割だろうかと思っていた菖太は、実は相当暗いものを抱えている子のようです。竹生がカッコよかった。

あと蓉一の大学の同級生で藤本っていうのが出てくるんですが、こいつが凄くいけすかない感じなのに、なんか凄く興味を引かれる。表情が独特で、嫌な感じもあるんだけど、ちょっと魅力的だなあと思う。
この人がどう関わってくるのかとか、まだ全然分からない。

とにかく2巻出るまで、どんなふうな恋愛の話なのか、まだ判断できません。
でも、色気はないけど、桜井さんの日々を読んでいるだけで結構面白かった。



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Catergory in [comics : は]日高ショーコ comments(2) -
Comment
ヨルコ says : at 2010/05/04 22:45
yuuumingさんこんばんは、コメントありがとうございます。

続き気になりますよね〜。
これからどうなるかでかなり感想が変わってくるような…。
でもリアリティを持って細かく地道にお話が進んでいるので、このキャラたちがどう動いたとしても、ある程度の興味を持って楽しめるような気もします。

私もこの表紙大好きです!
何となく、今までの日高さんの描かれる男の感じ…よりは、大分血が通っている感じがしませんか?
表情もいいし、印象的ですよね。

続きはきっと、まだまだ先なんでしょうねえ、待ち遠しいです。

yuuuming says : at 2010/05/02 23:13
またまたコメント失礼します!

ヨルコさんの記事を読んで今日買ってみました!
おもしろかったです。
続きが気になります。。。

このマンガでも、
登場するキャラクターは高所得者層ですね。
他のマンガもですけど、
仕事の描写が妙にリアリティあふれる感じで、
ほんとにここで働いてるんだな〜ということが伝わってきました。

表紙は日高ショーコさんの作品でいちばん好きです!
日高さんって、カラーだと絵をPC処理してて、
中身の絵の書きこまれ具合に比べて
あっさりしてるなぁと思ったんですが、
このマンガの表紙は顔のどアップなだけにそう感じることもなく…
むしろ素敵!と思いました。
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