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それなりに真剣なんです。 * 麻生海

面白かったです〜。上下巻でたっぷり読めるんですけども、なんか上下読んだ感じがしないというか、全体的に凄くまったりゆっくりお話が進むんですよね。大きなエピとか劇的な変化とか感情の浮き沈みがなくて、とにかく地道に子持ちの受と元遊び人の攻が距離を近づけて行く。
でもじれったいとは思わなくて、二人のゆっくりペースに合わせてこっちもちゃんとゆっくり読めたというか、はっとする瞬間はないんだけど、気がついたらちゃんと二人の話に入り込んで、二人の物語を楽しんでいる自分が居て、とても充足感があったんですよね。

とは言っても、ラブストーリーっていうよりは…ラブストーリーには違いないんだけど、受の人の子育てストーリーのが印象深いです。攻の男とガッツリ恋愛して行くというよりは終始、受の人の子育ての悩みに二人でどう対応していくか…みたいなところが描かれていたんですよ。受の人はもう、"お父さん"以外の何者でもなく、そこを切り離してこの人を語ってはいない。その辺は徹底されていて、何よりも子供が一番になってしまう男の人が、恋愛が二の次になってしまうというのは、ある意味とても当たり前の事のように思うし、その辺はちゃんと筋が通った話だなあとも思った。地に足が着いているキャラだったというか。

すっごく悲しかったり、凄く辛かったり、笑ったり切なかったり……というマンガが基本的には好きなんですけども、そこまで感情を揺さぶられる事はなくても、満足できるものもあるんだなあという感じでした。

えーとこれは、何かのスピンオフだろうと思いながら読んでたんですが…そんな感じのキャラ説明だったので。なんだろうなと考え考え読んでいたんですが、途中で気付いた。
これですね。→ 家賃半分の居場所です。 * 麻生海 


これの中の同時収録で、『それなりに真面目なんです』という話が二編ほど入っているんですよ。
それを私は何だか凄く唐突な話だと思っていて、麻生さんにしては凄く色々足りないと思ってたんですよね。きっと何かのスピンオフだからこんなにとってつけたような話になっているに違いない、何か本編が描かれれば、この話も面白くなるに違いない。
そう思っていたんです。で、今回の新刊が一応リンク作……ですよね。でもやっぱり『それなりに真面目なんです』の二人について何等言及された訳でもないので……やっぱ中途半端!私の好きな感じの年下攻なので、こっちの二人についてもちゃんと読みたいなあ。いつか書かれないのかな。
うーん…まあ、真面目なんですの二人の事は置いといて、とりあえず今回の本、真剣なんです、の内容について。

以下ネタばれます。


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そこに座るな * 麻生海

面白かったです。麻生さんはやっぱり、感情の曖昧さを、やわらか〜く描かれるので、そういうとこがやっぱ味だなあと思います。時にそういうところがもどかしくもあるんですが、でもそのもどかしさを我慢しながら読んでいけば、いずれは必ずはっきりしないところにキュンと来る答えをくれるというか…。
前の『家賃半分の居場所です。』もそうだったんだけど、ゆったりじれじれキュンキュンです。答えが出るまでに掛かる時間と道程のゆったりじれじれ…にちょっと耐える必要があると思う。が、そのゆったりじれじれ、にも麻生さんの柔らかい絵や雰囲気で、ちゃんと楽しみどころがあるし…なんと言ったらいいか、その、前の記事に自分で書いてるのを引用すると、

"色んなことが行き切ってない感じなんですね、ストーリーも恋人たちの関係性も、出てくる人の感情も、その表現の仕方も。でも、読んでると、この行き切ってない感じが、人の心のあやふやさを逆にうまく表しているんじゃないかって気もして、その辺が不思議と魅力でもあるんじゃないかと思えました。恋愛モノは白黒はっきりついていると分かりやすいし感動もしやすいしのめり込みやすいけども、実際にはなかなか気持ちって言うのはグレーだったりもして、その辺を表現するのは難しいと思う。この本の中に入っているお話に出てくる人は、グレーの気持ちをぐずぐず抱えているような気がします。"

と、これは前の本の感想に書いた事なんだけど、我ながらいい事書いてんなあ、ほんと今回もこう思いました。やっぱそれが麻生さんの魅力なんだと思うなあ。
受の人の臆病さや繊細さに、とにかく凄く胸を打たれる。だけど、じれったくもある。そういう一人の人間に色んな感情があって、色んな側面が見えるところが、やっぱ生きている感を出しているんだと思います。


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家賃半分の居場所です。 * 麻生海

なんとも微妙なゆったりじれじれきゅんきゅんする一冊だった。じれったいけど面白かったです。表題作の他にも二つ話が入ってたんだけど、どれも「好き!」って言ってくっついて終わり、というような分かりやすい構成ではなくて、好きという感情の周りを、出てくる人がぐずぐずぐるぐる回ってばかりいるような…物語は何かが始まって終わるものだ、とするならばこれは非常に中途半端な話たちではなかろうかと思うんだけど、…確かにそういう意味では中途半端でした。だけど、出てくるゲイの人が自分の気持ちや居場所に悩む姿には、なんかこっちに訴えかけてくるいじらしさや切なさがあって…意外に私はその辺に凄く胸を掴まれました。なかなかこの、中途半端さ加減を文章では説明しにくいんですが、色んなことが行き切ってない感じなんですね、ストーリーも恋人たちの関係性も、出てくる人の感情も、その表現の仕方も。でも、読んでると、この行き切ってない感じが、人の心のあやふやさを逆にうまく表しているんじゃないかって気もして、その辺が不思議と魅力でもあるんじゃないかと思えました。恋愛モノは白黒はっきりついていると分かりやすいし感動もしやすいしのめり込みやすいけども、実際にはなかなか気持ちって言うのはグレーだったりもして、その辺を表現するのは難しいと思う。
この本の中に入っているお話に出てくる人は、グレーの気持ちをぐずぐず抱えているような気がします。…引っ込み思案だったり、臆病だったりするせいで、黒を黒と言えない、白を白と言えない子達がたくさん出てくる気がして、だから余計に、グレーの気持ちがグレーに表現してあるような印象を受ける。それに、いじいじぐずぐずしている気持ちって愛しいじゃないですか。だって誰だっていじいじぐずぐずしちゃうところはあって当然だし、そういう気持ちに触れると、なんかキュンとしてしまって、あやふやな思いに、逆にリアリティも感じた。

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