ほっぺにひまわり * 三田織
三田織さんと言えばサイドにもずっとリンク貼ってるこの本↓↓↓ですが、この本ものすっっっごくよかったですよね。
私の感想はこちら→ 白のころ * 三田織
ほんとすばらしいデビュー作で、この人は凄い、絶対に凄い、光ってる!ってめちゃくちゃ注目していた作家さんでした。
その三田織さんのやっと出た二冊目が今回の『ほっぺにひまわり』。
これほんと…なんて言ったらいいの、とにかく最高だったんです。可愛くて優しくていじらしくて愛おしくて、本当にすばらしかったんです、最高だったんです。
こんな話をこんな風に描けるなんて本当に凄い。きらめく才能とセンスを感じる…。
三田織さん、凄い!
内容は、なんと珍しいおでぶちゃんが主人公です。この表紙のとおり、帯に「体重90キロのぽちゃかわ男子!」って書いてあるけどその通り。主人公、おでぶです。ごまかしのないおでぶです。きっちり、その通り、おでぶに描いてあります!
その!おでぶが!かわいい!!ゲキかわいい!!どうしてくれよう!!泣ける!!
私ね、もう何百回と書いたかもしれませんが、痩せフェチです。痩せた男、痩せた絵、骨、筋、そういうものが好きなんです。なので、いつもの好みから言えばまったく引っかからないんです。
その、私をしてですよ。こんなにも愛おしいと言わせるものが、このキャラとマンガにはあるんです。自分の好み云々は超えているんです完全に。
体重90キロ、けど優しくて素直で純真で、毒のないのんびりぽやっとした主人公のヨネちゃんと、同級生の子のラブが書いてあるんだけど、泣けるんですよ〜。きゅんきゅんしすぎてほんと私、大泣きしました。あんまりにもいじらしくって可愛いので。
けど、全体的にはなんか笑っちゃう。ヨネちゃんのまったく自分を飾らないのどかさにくすくすきて、癒されちゃう。これぞ本物の癒し系ですよ。心温まるったらないよ。
とにかくね、ほんと愛らしいから!
私、全力でオススメします!三田織先生バンザイ!!
ちなみにこの本には、このおデブの子の話と、甥×叔父シリアスという、私的にあまりにど真ん中すぎる長めの話と、二本入ってます。こっちもとってもよかったんですよ〜!
では以下ネタバレます。
カップルはじめました * 真柄うしろ
真柄うしろさん三冊目!一年一冊ずつかな?去年がさよなら幼なじみで…って事は名作『ひみつのお花ちゃん』は二年前になるのだろうか?
ひみつのお花ちゃん * 真柄うしろ
毎回凄く味があって面白い漫画描かれる方だけど、今回もやっぱり面白かったなあ。ふとした瞬間の表情に愛嬌があって、プッと笑っちゃう。けど、その次の瞬間には激しいキュンがやってきて、笑ったり泣いたりできる。
一冊で笑ったり泣いたりできるって凄い贅沢だなって思います、だってなかなかないもんそんなの。
羽生山へびこさんとか西田東さんとか…そしてこの真柄うしろさんも!
なんでしょうね、この真柄うしろさんの素朴な味…。
何も飾りつけしてないというか、素のままの面白さというか、小手先きかせてないっていうか…。
好きだなあ〜…。
今回の話は友達同士の関係から恋人になるっていう話で、長い間片想いしてた繊細な方と、優しいけど鈍感でアホい天然な方の、二人の関係が可愛く楽しかったです。特にアホい方。悪い奴じゃないんだけど色々足らない無神経な奴でさあ、この子面白かったわ、ちょっとイラッとするくらい鈍感で、でも笑っちゃうの。
あと、『ひみつのお花ちゃん』の続きが載ってますよ!泣いたー!!
では以下ネタばれます。
年下の流儀 3 * 円屋榎英
1巻から読んでた年下攻の王道とでも言うべき年下の流儀ですが、3巻で終わりましたね〜。
綺麗に纏まってて面白かったし、マンガの書き方というか、全てがなんというかこう、べた〜〜〜〜いのですが、私はこの、昔ながらのBLの誠実さっていうか、恋心と関係性を、しっかり丁寧に、絵とストーリーとモノローグで描いていこう!という、このマンガの性質というか、そういうのに凄く好感を持っていて、好きでした。
これを読む前にちょうど、先月のあの名作、宇田川町を読んだのです。んで、あのセンシティブな感じに根こそぎ心をすっからかんに持ち去られてしまったのですね。で、その次にまったく趣の違うこの本を読んで、この順番どうだろうなあと我ながら思ってたんだけども、そこはそれ、やっぱりこれはこれでいいんですよ。
絵もセンスも色々古い感じはするんだけどね、古いと悪いはイコールじゃないですからね?
しっかり誠実に描かれている、男同士、血の繋がらない兄弟の恋愛も面白く読めました。
でもやっぱ3巻は、纏めなきゃって感じがちょっとあったかな、モノローグの説明が多めで。それはちょっと気になりはしたんだけどね。
隣りのおにいさん * 右野マコ
この表紙といいタイトルといい、子供攻の期待がむらむらと…。
右野マコさんと言えばつい最近これを買ったばかり → 相原主任はストロベリークリームパフェが好き * 右野マコ
これの感想にもくどくど書いてしまったのですが、とにかくこの一冊目っていうのが、恋愛マンガとしてはとても中途半端だったんですよ。…というか全然恋愛じゃなかった…!
マンガとしては凄く個性的で面白さもあったと思うんだけども、物凄く笑かしてくれるのでもなければ、やっぱり男の子同士が出ているならば、恋愛して欲しいんですよ、勿論恋愛した挙句の結果も欲しい。
でも、この一冊目はその辺凄く私は満足できませんでした。感性というか、そういうのは凄く好みだった気がするので、惜しいなあと思ってたんですよね。
で、次に何か出すならば、とにかく、恋愛で始まって恋愛で終わる話を!…と思っていたんです。
で、この二冊目。
当たったと思う。すっごく面白かった…!!
面白かったんですよ、今回のこのコミックスはBLでしたよ、凄くよかったよ、何個か泣いた!
これも短編集だったんだけど、キュンっとしてポロっと来るキュン泣きマンガが幾つかあったなあ。
表題作も勿論私の好みの、子供が成長して立派な攻に…いや立派かどうかは分からないけども、とにかくそういうパターンすっごく好きなので、表題作も面白かったしね、他の短編も面白かったです。
凄く変わった設定の話もあったんだけど、何となく全体的に受攻の感覚が合うっていうか、これ逆だったらいいのに…っていうのが、私的には全然なくって、それもよかったです。
だってこれ帯にね
『ぜったいカッコよくなるから!』
って書いてあったんです、この表紙で。もうそりゃ期待するよね〜!
では以下簡単にネタばれしつつ感想です。
白のころ * 三田織
これ、この方!初コミックスなんですけども、雑誌でこの方の短編を一つだけ読んだ事があって、それが凄く心に残るよい作品だったのです。なので、この一冊を凄く楽しみにしてました。
そしたらね…やっぱね、めっちゃくちゃよかった…!!
もうめっちゃくちゃよかったですよ、すっごくよかったですよ…!!
なんかこう、80年代のマーガレットコミックスみたいな…って言うのはその頃子供だった私が物凄く心酔して好きだったものでついこんなふうに言ってしまうのですが、そんなような繊細さと優しさと可愛らしさがあるんですよね、よい意味で昔の少女マンガみたいな感じでした、すっごく優しくて感動した。
絵も、岩舘真理子さんみたいな儚さがあって、だからと言って消えてしまいそうな程儚くもないんですが、でもこう…絵の端々から優しさが滲み出るというのかなあ、冷たさも勿論あるんだけど…だからこそ冷たいと凄くグサッとくるんだけど…でも冷たさの隣にもちゃんと優しさがあるというか…嘘がないというか、やっぱ心をちゃんと描いている気がするなあ。
凄く暖かくて切なくて、繊細なところがぐぐっと来るよいマンガでした。
以下ネタばれます。
オールモスト・パラダイス * 松尾マアタ
松尾マアタさんと言えば一冊目もとても面白かったのですが、コレ→ 嘘つきは紳士のはじまり * 松尾マアタ
外国っぽい絵柄や会話のセンスがよくて、皮肉でオシャレな感じなんですけど内容がガッツリあるっていう、存在感のある作風なんですよね、松尾マアタさん。
今回の本は二冊目ですが、全然内容知らずに作家買いしたらなんと、先生受だったんですよヒャッホーウ!!
しかも意外なくらいストレートで、皮肉がない。キャラの目つきがちょっと皮肉なので、何かハラハラさせられはしたんだけど、でもとても素直な話でした。
で、すっっごい、よかった!!
単純に、私好みなストーリーなんですよねえ。絵も雰囲気も凄く好きな上に、このストーリー。歳の差の先生受で、切なさが描かれていて、好きだった〜。面白かったです。
表題作の他にも二編入ってたんだけど、これがどっちもとても面白かった。
すっごく満足できた一冊でした。
以下ネタばれます。
ゆうぐれのまち * 三池ろむこ
なんだかお久しぶりになっちゃいましたがGWも終わりまして、切羽詰った忙しさからも今日で漸く少しだけ解放されます。
ので早速読んだマンガの感想を書こうと思います!GWの事など振り返ってる場合じゃない!
とにかく感想感想感想!
早速の一冊ですが、新刊じゃなく既刊です。これまたお久しぶりの三池ろむこさん。
ろむこさんと言えば『魔法使いの恋』が一番好きですが、他の話はちょっとぼんやりだったのですね。
私にとっては、の話ですが、買っても買っても薄らぼんやりしていてはっきりした何かが伝わってこないのです。んで、とうとう買わなくなってしまったのですが、去年この一冊が出た時に、このいつもと違う感じの表紙にやっぱり惹かれました。気になってはいたけども、でもやっぱり薄らぼんやりしているのだろうか……と半信半疑で手が出ずにいたんです。
しかし、東京の本屋で何かこう、気が向きまして。ついった友達Kは面白いと言ってたのを思い出し、反対に側にいた友達Eは好きじゃなかったと言っていて、迷った挙句に購入しました。何故なら友Eと好みが結構離れているから…!この子嫌いなら私好きかも…みたいな…あるよねこういうこと!
んで読んだのですが…おおお、好きだったよ〜!!
すっごく好きだったよ〜!
これ、いつものろむこさんと凄く雰囲気が違って、分かりやすくはっきりした恋愛感情が描かれていたんですよ。とても面白かったし、読みやすくてきゅんとしたし、私凄く好きだった!
受の男の子が可愛くて好きだったなあ、ロン毛だし…。気持ちをはっきり口にする潔いところも好きだった。傷ついてきたんだろうなという過去が透けて見えるところも好きだった。
しかし、これもうちょっと続きがいるんじゃないだろうか。
受のコの過去とか、家の事とか、もっと描いて欲しかったな、そしたらこの子が体売ってる事とかにもっと説得力があったんじゃないだろうか。
三池さんはこの二人をもっと描きたいと仰っているので、ぜひ続編希望!
以下ネタばれます。
好きより、もっと * みつば樹里
みつば樹里さんの新刊楽しみでした。というのも前雑誌で読んだ短編がなかなかに心に残って好きだったのと、やっぱなんというかこの、雰囲気でしょうか。なんかいいよね、なんかこう、懐かしい感じの絵柄じゃないですか?今っぽくないっていうか。こういう今っぽくない雰囲気のある絵柄の人を見ると、凄くいい話描かれるんじゃないかと、今は逆に思ってしまって…なんで"逆"かというと、数年前東京漫画社が台頭してきたときに、物凄く新しくて個性的でおしゃれだったじゃないですか。新鮮でおもしろくて、悉くグサッと突き刺してきました。その当時は、味系の絵を描かれる方々に物凄く期待感があったんですよね。が、今またそういう世代が飽和状態にあるような気がして、味絵だけではあんまり期待しなくなってしまいました。味絵だけで期待していた時代もあったのです。
そして今は逆に少ない気がする、この80〜90年代のヤングレディースみたいな…なんか私の時代の少女マンガで言ったらmimiみたいな…?ぶ〜けとか?ぶ〜けは違うかな、でもなんかこの表紙の感じがさ〜当時のちょっと年上のお姉さんが読んでた恋愛マンガを彷彿とさせるっていうかさ、なんかそういう絵柄に期待してしまっている自分がいるのです。
という意味の"逆"です。
絵だけで言ったら私はこういう絵はあんまりタイプじゃないんですよ、ご承知のとおり。でも、絵なんかはっきり二の次なのです、面白い恋愛マンガが読みたい、男同士の。
という訳で、みつば樹里さんの持っている雰囲気に物凄く期待したのでした。
で、一冊読んだのですが、ストーリーは割と普通でそんなにガツッと印象に残るってものは少ない気がしました。でも一個一個キュンとさせるとこがあって、表題作なんか切なくてちょっと泣いちゃったなあ、受の人可愛くて。持っている優しい感じの雰囲気とか、ストーリーの誠実さとか、そういうのは凄く好きだった。
ただやっぱり、まだ定型を離れていない感じがして、ガツンっと来ないんですよね。凄くありふれているとこがあって…うーんでもまだ一冊目だし、もうちょっと本出して、他のも読んでみたい。
切ない気持ちはグッと来るので…受がいじらしくって私好きなので、今後もうちょっと読んでみたい方でした。
以下ネタばれます。
この夜のすべて * ミナヅキアキラ
下のツイッタんとこにも書いたんですけども、なんと新刊注文ミスっててまだ届かないっていう…。焦るとろくな事がないよね。昨日忘れてたって書いたけど、忘れてたんで焦って注文したらちゃんと注文できてなかったんですよね、結局今日注文したみたいになってもう読めるのいつだろう、すまこさ〜ん…。
と言う事で今日はミナヅキアキラさんです。私にとっては4冊目。しかしこれで全部ではなかったろうか。
この話もずっと気になってた一冊だけど、なんか暗そうなんでちょっと躊躇してたんですよね。暗そうで重そうなのって、好きで作家買いしてる方以外はちょっと躊躇しちゃう傾向にあります。
でもミナヅキさんはもうとにかく他のが面白かったんで最後のこれを買わない訳に行かない。購入しました。
やっぱ暗い話ではありました。近未来っぽい話で、今現実のこの世界の話ではなくて、組織とか暗殺とかの話で、血なまぐさかったのが凄く意外だった、そんな話とは全然思わず。なんかスーツ着てるんでサラリーマンものかと思ってたよ〜。…って私、本当にあらすじ読まないんだな…。今ちらっと見たらどこにもサラリーマンって書いてないよ。
んでそういう殺したり殺したりの話だったんですが、一冊かけてシリアスな話がしっかりと展開されているのでお話としては凄く面白かったです。
この方独特の、黒と白だけの絵が、絵的にはわかりにくいところもあるんだけど、近未来の殺伐とした舞台には凄くあってる気がしたし…解り難いのが逆にリアルを和らげる効果もあった気がしました。御伽噺みたいな絵なので、血なまぐささがあんまりリアルに響いてこないっていうか。
人を殺しているとか、血の匂いとか、色とかをあんまり感じたくないから、私にはちょうどよかった気がします。人の心を中心に読めるから。
以下ネタばれます。
知らぬはおまえばかり * ミナヅキアキラ
こないだの新刊(→ のぼせるからだ * ミナヅキアキラ )が凄く面白かったミナヅキさんの一個前の奴を早速買ってみましたが、やっぱり面白かった!
受の子の健気な思いが切なくていじらしくて、やっぱ台詞や表情や、気持ちが盛り上がるとこがいいんですよね〜。
他に二編入ってたんだけど、どれも結構よかった。けど二つとも受が相当なタイプ外だったので、やっぱ表題作が一番好きだったかな。
表題作は学生時代からセフレ関係にあった相手の事をいつしか本気で好きになってしまった…という、恋する気持ちが切ない話でした。
以下ネタばれます。