今日も月が綺麗 * 木下けい子
木下さんの短編集ですが、私これすっごい好きだった!凄くよかったなあ、すんごくきゅんとした、泣いた〜。
短編集でこんなにいいと思うのって珍しいかもしれない、木下さんの場合。
表題作は学生の頃から恋人として付き合っている先輩後輩同士が、社会人になって同居しはじめ、日常の中で起こる些細な擦れ違いや、気持ちのぶつかり合いなんかが描かれていて、本当に特に事件が起こるでもない、普通の日々の事が書いてあるんだけど、これがすっごくよかったの。
後輩受だし、そういう意味では私のタイプじゃなかったけど、とてもいい話だと思った。
同時収録も凄くよくて泣いたんです、性格の悪い先輩受でした。これもきゅんとした〜。
以下ネタばれます。
今宵おまえと 最終章 * 木下けい子
終わりましたね〜。
木下さんのこういう、恋愛感情の問題だけで2巻とか3巻とか続く話って、途中で何が問題だったか分からなくなるというか…問題点が繊細な上に描き方も繊細なので、途中で見失っちゃうことが多いんですよね、例えばキスブルーしかり、幾千の夜しかり。
けど、この話は珍しく最初から最後まで、一貫して問題点が見えてたというか…問題点って言うのは、主人公達の関係っていうか、今いる気持ちの場所ってことですけども、それが見えやすかった気がします。
最後まで面白かったし、最後まで二人の関係にドキドキできたし、切なかったり可愛かったりして、とてもよかった。
以下簡単にネタバレ感想です。
恋は育って愛になる * 木下けい子
木下さんの角川コミックスです。もしかして…はじめて?
あ、いや違う。『愛こそすべて』がありましたね、これはとっても面白かった!ちなみにこれ→ 愛こそすべて * 木下けい子
で、今回の新刊です。
とっても読みやすかったし、ストーリーを追って楽しみながら読めたんですが、ラブという部分ではちょっと盛り上がりに欠けるかなあという感じでした。激しく心が動く瞬間がないというか、可愛いとか切ないとかキュンとするとか、そういう心にぐっと来る瞬間がなく読み終えてしまったので、あんまり強い印象がないんですよね。
でもとても読みやすくはあったので、面白くないって事もなかったのですが。
以下ネタばれます。
リアリストによるロマンチシズム * 木下けい子
木下さんの新刊ですが、木下さんはホント発行ペースが速くて凄いですよね。
そしてまだ幾千の夜の最終巻の感想書いてない…。忘れてないんですけど、覚えてるんですけど、読み返せなくてそのまま…。もう読み返さないと絶対に感想書けない。
今回はすっごい頭がよくて冷静な准教授と普通の大学生のラブな話でした。
大学生の普通っぷりと、准教授の冷たそうに見えて実は可愛いところもあるっていう、二人の性格が可愛かったなあ。二人の関係がどういう風に進んでいくのか、期待しながら読む最初の方、ドキドキして面白かった。
けど、最後が若干物足りなかったな〜。教授の葛藤があんまり見えなかったことと、受の子の気持ちの変遷が私に分かり難くて、いつのまにか二人が出来上がってしまってた感じがしたので、いつもの木下さんの繊細な心理描写に比べたら、少し物足りなかったです。
帯とあらすじに攻の人の事をドSって書いてあるんだけど…え?この人ドSだった?私少しもそんな風に思わなかったんで、今感想書こうと思って帯見て意外だった。
帯を見て首を捻ること、しょっちゅうあるなあ。
たぶん、内容を理解して感じて決めるのは読んでいる私であるのに、それを勝手に決め付けられて渡される気がするんだろうなあ。そぐわないと思うことが多いです。
以下ネタばれます。
今宵おまえと 二章 * 木下けい子
ちょうど一年前、2010年の年末にこの1巻が出たんですよね。あれから一年経ちまして…正直もうこれまでの経緯が相当うろ覚えだったんですが、前回面白いと思ったことだけははっきり覚えております。
1巻の感想はこちら→ 今宵おまえと 一章 * 木下けい子
最近の木下けい子さんが本当に、読む本読む本全部本当に面白くって、去年のこれ以前の3冊私全部★5ですからね〜。全部面白くって激しくきゅんきゅんしました。
んで年末に来た二冊も、まあ言っちゃいますが★5ですから。結局5冊全部★5です。
だって面白いですよね?文句のつけようが全然ないよ〜。
絵も好きだし、繊細で丁寧な心理描写も凄い好きだよ。言葉で説明しすぎないとこも好き。ちゃんとそこに気持ちがあるところが好きです。
結構心理描写が深くて繊細なんですよね。実際人の気持ちってものは物凄く繊細に複雑にできているんだと思うんですよね。誰の心もそうだと私は思う。中を探って見る事ができたら、きっと誰の心もその人なりのたくさんの複雑な思いが折り重なっていて、だけどその上に言いやすい単純な言葉を乗っけて、口から出した瞬間に、平凡で、隣の人と同じものになったように見える。だから、単純に見えるし、ありふれているように見える。だけど、それはきっと見えるだけなんだよ。単純で簡単でありふれているように見えるだけで、人の心はみんなそれぞれ違うし、簡単な言葉では置き換えられないくらい複雑にできている筈だよ。
その、人それぞれの複雑さを、表情や空気や、間とか言葉で、表現しようとした上の、この繊細さだ…と、私は思うんですよね。
心の繊細さを、ちゃんと書こうとされているんだと思うんですよね。
ボーっとしてたら逃すよね、この繊細さ。
だけど、気付こうとしすぎても逃すよね、その上に乗っける単純な言葉を逃すよね。
この話はサラリーマン同士の恋愛で、友人関係であった筈が片方の恋愛感情により、これまでの関係がどう動いてしまうのか〜…みたいな話なのですが、この話は攻が凄く面白いんですよ。言動や思考が凄くオリジナルで、キャラがちゃんと自分の考えで動く感じがいいです。自分で考えて自分の道を進む、だからちゃんとオリジナリティがあるんだと思うわ。
知ってる筋道を通らないので、少し意外に感じたりするし、そういうところも凄く面白いです。
以下ネタばれます。
愛こそすべて * 木下けい子
先月だったか先々月だったかに出た木下さんの新刊ですが、私は買ってなかったのです。
というのも、なんか可愛い年下受で眼鏡おっさんが攻なのかな〜…って表紙から思ってたからで、木下さんだったら面白いだろうなと思いつつも、どうしても設定が好みじゃないっぽかったから手が出なかったのです。
が、ここのお客さんに、ヨルコさん好きそうだから読んでみたら?…と、薦めて頂いたので、思い切って購入しました。
そんで…面白かったーーーー!!!!
いや凄い。凄いって、薦めてくれた方が凄い!!!どうして私が好きそうって分かるのだろう!!
…こんだけ毎日毎日主張してれば否が応でも分かるってもんだろうか…。てへ。
私が何故そのオススメに惹かれたのかというと、"いじらしい受はいないかもだけど、いじらしい攻ならいる"…みたいな事を書いてくださったからで、もうその、"いじらしい"という単語にむずむずして、これはイケるかも…と信じたのでした。
いやほんと、いじらしい攻いた。ちょうキュンキュンして内臓小さく何回も刺激されました。
いや〜面白かった!
オススメして下さった方、ありがとうございました。大当たりでした〜!
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うちの王子いりませんか * 木下けい子
面白かったです〜!
物凄い素直に読める可愛い話で、すれ違ったり悲しい思いをしそうなところで、主人公二人が意外に素直な面を持っていて、特に受の子の純粋さと言ったらとんでもなくて、だから拗れそうな話が全然拗れない。物凄く真っ直ぐに、淡く純粋な恋愛が、この子の心の中で育っていって、その健やかさとか、その一生懸命な気持ちに、これがまたきゅんきゅんきゅんきゅん…。
昨日あんまりきゅんきゅんするので、これってあれかな、何か体調と関係あるのかな…とかまた余計な事を考えました。
こういう受を見た時に内臓が絞られるような感じがするのって、なんかちょっと"きゅん"とは違う気がするなあ。この現象ってなんなのだろう。確実に精神的な部分だけじゃなくて、肉体的に、物理的な何かが身体に起こってますよね、例えば悲しいと思ったら涙が出るように。
今このとき、私の身体はどうなっているのだろうか…と思いながら、この子が傷ついた顔や、友達を欲しがったり新しい事にドキドキしたりワクワクしたりする度に何か身体が縮こまるような感覚に襲われて、不思議不思議…身体って不思議…と思ったりしていたのでした。
しかしほんと、最近の木下けい子さんの作品の良さってズバ抜けて凄いと思う、しかも割りとたくさん新刊出してらっしゃるのに、そのどれも…って全部買ってるわけじゃないんだけど、でもこんだけ外れないって凄いなあ、ほんと年々良くなってく気がする。
この間の奴はまだ読んでないんですよね〜年下受なのでたちまち手が出なくて。
でもいずれ読んでみようと思います。
これですね。→ 愛こそすべて 木下けい子 あすかコミックスCL-DX
とにかく今回の本も本当に面白かったです、キュン泣きでした。
同い年の高校生モノです。
以下ネタばれます。
召し上がれ愛を * 木下けい子
面白かった〜!!キュンキュンしすぎて本当に死ぬかと思った、こんだけ内臓痛かったら既にそれは"キュン"なんて可愛らしい言葉で表現する類の物じゃないと思うよ!
しかし2月末の新刊は本当にいいのが多かったな〜〜。読む本読む本皆面白かった。それはもしかして私の気持ちの状態が良いということなのかもしれないっていうかそれが一番大きいと思うけど、まあとにかく漫画を面白いと思って読めることがとても幸せ。
そして今回の木下さんの本はちょっとちょっと、私は最高に好きだったな〜〜〜。
木下さん、実は全部読んでる訳じゃなくて、読んでないのも結構あるから全体見てどうのと言えないんだけども、やっぱ最近面白くなかった事がないですよね、ちょっと前までそんなだったかなあ…と思うんですけども、もう最近買う本買う本絶対面白いし。
なのに3月の新刊は未だに買うかどうか迷っています、木下さんの可愛い子受は本当に可愛いから、やっぱちょっと迷っちゃうんですよね〜。
今回のこの本は不器用な大人受だったんですけども…これを読んでつくづく思った。私のツボ=不器用!!!いろんなことに不器用、生き方や感情表現が不器用な人、なんかもうたまらん。自分の好きな受全てに何が共通しているかっていうと、"不器用"っていうそれに尽きる気がする。
不器用、臆病、健気。これ3つ揃ったら最強ですね。あ、大人限定ね、大人限定。不器用で臆病で健気が子供だったら当たり前でしょ、大人だから可愛い訳です。
私、持ってない木下さんどれだけあるだろう??
と思ったので急遽調べてみた。
こんだけだった。結構読んでるなあ。見事にこう…たぶん私好きじゃないカップリングだろうなあ…という想像で買ってないようです。大人と子供のカップルで子供受っていうのを読もうと言う気に、やっぱり未だにならないんですよね、高校生は子供ですからね。
3月の新刊の表紙…やっぱ無理かな〜。
まあそれは置いといて今回の本はとにかくとっても好きでした。
本当に刺激が強すぎて内臓痛かったです、キュンキュンよりもっと最上級のキュンを表すキュン活用形ってないものだろうか。
以下ネタばれます。
今宵おまえと 一章 * 木下けい子
木下さんの二冊目です。こっちも面白かった〜!
こっちは 幾千の夜 第二章 * 木下けい子 よりは少し明るめの雰囲気で、コミカルなテンポが読んでて凄く楽しかった。けど楽しいばっかりじゃなくて勿論、友人に長い間抱き続けている片思いは切なくて、それを打ち明けられないもどかしさは、茶化して書いてあるけども十分じれじれしたし、ズキズキしました。
しかし木下さんは絵がいいよな〜。凄い好み。この線の細さと、白い絵。顎と、首と、目が離れてるのがいい。あと眼差しがなんか語っているようで、見過ごせない目つきを描かれるなあと思う。木下さんの描くスーツ姿も好き。
木下さんが挿絵してると、小説とかすっごい面白そうに思える。気になる。
以下ネタばれます。
幾千の夜 第二章 * 木下けい子
前回、もう切なくて苦しくてこの行き場のない気持ちをどうしたらよいのやら…!という、とんでもないインパクトがあったこの『幾千の夜』ですが、あれから一年経ったらしいんですけど、信じられますか…?そこんとこをまずどうにかして欲しいんですよね!一年が早すぎてあまりに早すぎて、もう憂鬱で憂鬱でしょうがない…!
そんな昨日みたいな一年前の幾千の夜の1巻の感想 →
幾千の夜 第一夜 * 木下けい子
で、本当にもう、色から何からとにかく、儚さや純粋さが、冷たく打ち捨てられるような切なさに満ちたこのお話だったんです。このまま行ったら一体全体、どんな擦れ違った恋模様を送るのかと、どうにもハラハラさせられました。木下さんの絵といい、表情といい、ストーリーといい、素晴らしい1巻でした。
09年年間ベスト10にも入れた覚えがあります。
そんな素晴らしいお話の2巻です。
キスブルーの時も、1巻素晴らしかったんですよね。こんな感じでハラハラ切なくてどうしようもなかったんだよなあ。ところが実は、2巻があんまり好きじゃなかったんです。…なので、あんま2巻には期待しないようにしようという心積もりが知らぬ間にできあがっていたようなんですよね。
っていうか、続いてんですよ!
2巻で終わってないっていうのにもまた衝撃を受けたのでした…。
以下ネタばれます。