スタンレー・ホークの事件簿 仮面〜ペルソナ * 本仁戻/山藍紫姫子
これ雑誌で連載始まったのって相当前ですよね、2008年だって。その時からもう読みたくってしょうがなかったです、ちょうど連載始まって二回目くらいの雑誌を私買ったんですよね、それでコミックスになるのずっと待ってて、でもやっぱ雑誌って注意して見ないと連載が続いているのか休止してんのか全然分からなくて…しかももうこれ3年以上も前なんで、どうなったのかな〜…と思ってたんですよ、こうしてコミックスになってよかった〜嬉しい〜!!
やっぱ本仁さん凄いよなあ、ほんと凄いです!
原作はあの山藍さんなんですけども、とにかくこれ、まるで本仁さんのマンガそのものなんですよね。原作者がほかにいるって事が全く頭に思い浮かばなかったです、読んでる最中。そのくらい本仁さんの作風で、味付けで描かれていたんじゃないかなあ。私は原作読んでないんだけども、原作つきのマンガは違和感あるのが多いので、これだけシンクロしていてまるで違和感がないっていうのは凄いと思うし、しかもなんだか本仁さんこういう話書きそうじゃないですか?
しかし一つ、逆に原作ついててよかったのかも、と思ったっていうのは、これが本当に本仁さんのマンガだったら、きっともっとややこしかったと思うんですよね。きっともっと複雑な味付けがしてあって、こういう推理もの苦手な私は更にちんぷんかんぷんになること請け合いなんですよ。そこんとこ山藍さんはとてもわかりやすいので、本仁さんが味付けしすぎてなくて、シンプルに話が進んで行ってくれるのが、山藍さんと本仁さんがコラボされた今回の、とてもよい点だなあと思いました。
いや〜…しかし本当にロスフィールド警視の壮絶な美しさったら…。
山藍さんの小説って、とにかく筆舌に尽くしがたく美しく色気のある男が主人公じゃないですか。んで、それきっと絵がダメだとかなり残念な結果になる気がするんですよね、むしろ山藍さんの小説にはあんまり絵がいらないんじゃないかと思うんです、頭の中で幾らでも天上知らずに美しく設定すればいいわけで。
そこへきてこの本仁さんは、この山藍さんの書く受の美しさを、まさにそのまま表現してくれている感じがしますよね。一枚の絵として見るよりも、ストーリーのあるマンガとして見た方が、本仁さんの書く受の美しさは増しますよね、だからこのロスフィールド警視…って書くの面倒くさいなあ〜…。この人の放つ何か禁欲的な、何か犯してはならない、立ち入ってはいけないような色気と魅力を、挿絵を飛び出してコミックスとして形にしたっていうの、ものすごーーーーっく正解な気がします、これ以上ないコラボ…!!
本仁さんと山藍さんと言えば私の古い記憶だと『ラヴィアンローズ』ですね。
しかし、何回かここにも書きましたが、ラヴィアンローズは私、挿絵のない状態で読んだ初出同人アンソロが初読みだったのですね、もう大昔の話ですが。ワルキューレと言って山藍さんが個人で出していた同人誌です。たくさんの方がゲストされてました。それが初読みで、その後前後を足して単独で同人誌にもなって、その両方を持っていて、とにかく大好きで何回も何回もしつこいくらい当時読み返していて、私の中にあの受のお兄さんはもわもわと形のない受として出来上がってたんですよね。挿絵がなかったから。
が、あの話が商業になって、単行本になった時に本仁さんが挿絵だったのです。
それがね、なんか凄いショックで。
違うって思ったの。こんなのあのお兄さんじゃない…!!!って思って…。すっごいなんか…その当時本仁さんも凄く好きだったんですよ、好きだったのに大好きな話の挿絵が違う、なんか違う…!って思ったことに凄いショックを…。
っていうのが、本仁さんと山藍さんコラボの記憶です。
今考えれば、まあそれはそれでいいような気がするんだけども…。
まあだから、読み手によっては…特に原作ファンだったりしたら、何をどう書いても頭の中のイメージとは重ならないって場合もありますよね〜…って話です。
しかし今回は私原作を読んでいないのと…原作と言えばこれ、随分昔の原作ですよねえ。その当時から本仁さんは挿絵をされてたと思うので、当時からの原作ファンにもどっちにしろ違和感ないかもしれないですね。
んで、このコミックス化を睨んでか、去年文庫化されました。
コレ↓↓↓
当時のは花音ノベルズって言って…私もこの花音ノベルズ結構持ってたなあ、たぶん当時大分さよならしたんだと思うけど…。
新しいのは文庫だからいいですよね、場所取らないし読みやすいしね。
マンガ読んだらすっごく面白かったから、原作も読みたいです。
山藍さんは本当に私十代の頃から読んでいるので、結構読もうと思う壁が低いんですよね。
今年中に読みたいな。…って一年始まったばっかりなのに目標甘すぎるな…。
わ〜…前置きえらい長くなってしまった、以下内容の感想です。ネタバレしてしまっている部分があるかもしれないので、これから読もうと思っている方は気をつけてください、これ一応犯人探しモノなので…!
探偵青猫 6 * 本仁戻
探偵青猫6巻です!!!!めでたい〜!!!
もう嬉しすぎて嬉しすぎてどうしよう?私は探偵青猫を読んだのが大変遅ればせてしまった去年だったんだけども、リアルタイムで待ってた人はきっと相当待ったよね〜!
はーしかし6巻が出てよかったです、安心した。
これまでの探偵青猫の感想はコレ↓
探偵青猫 * 本仁戻
探偵青猫 5 * 本仁戻
いや〜ほんとこれ面白いんですよ、探偵青猫!
貴族で探偵やってる美しい青年青猫が、難事件を華麗に妖しく解いていく訳ですが、それと一緒に彼の愛人達とのラブなロマンスも繰り広げられるという…ラブなロマンスばっかり繰り広げているという、痛快だけどイヤらしい、耽美な雰囲気満載だけどどっかふざけているという、ふざけているのに何故か悲しいという、本仁戻さんならではの娯楽作品なのです、ほんと楽しいったらないから!
6巻の内容はしかし、手ごわかった…。特に後半、む、むずかし…。
でも本仁戻先生も何回も読み返しなさいと書かれているので、何回も読み返したいと思います。そしたらそのうち分かるかも…。
青猫はきっとこれで終わっちゃうんですよね、だって最後が08年、それに書き下ろし加えて今回やっと6巻出たんだもんな〜…。
いつかまた青猫が読めたらいいのにな。そう思うと途端にどっぷり悲しくなってきたよ…。
(7/14追記:探偵青猫完結じゃないそうです!嬉しい!詳しくは本仁先生のサイト参照。)
以下ネタばれます。
探偵青猫 5 * 本仁戻
5巻見つけたんですよ〜!!!
ついこの間初めて読んだという探偵青猫に関して遅咲きの私。ついこの間嵌ったので、今ぶっちぎりに青猫について熱い。
ちなみに感想はこちら→ 探偵青猫 * 本仁戻
5巻がどこにもなかったので焦っていたんですが、意外に早く見つかってラッキーでした。そこには5巻しかなかったから、本当にタイミングよかったんだと思うなあ。
そんで5巻の内容だけど…は〜…面白かった…。
以下ネタばれます。
ポイズン・チェリー・ドライブ * 本仁戻
探偵青猫があまりに面白かったので、同様の理由で長い間手を出してなかったこれも勢いで買ってみたんですが、面白かったです!
本仁さんらしい悪ふざけで溢れていて、凄く楽しかった。
…けど、終わってないと思うんだ…!!
マメとか飯田とか、一体なんだったの!これほんとはもっと続くつもりだったんじゃないの!マメと飯田、なんにもないの?なんかあって欲しかった…!謎の髭面オヤジがマメと飯田のエッチなんかを強要したりする展開があるんじゃないかと期待してたらいきなり終わった…。ええええ〜〜〜〜…。
面白かったのにぃ〜…。
以下ネタばれます。
探偵青猫 * 本仁戻
私…探偵青猫、初体験でした。
で、で、お、お、おおお面白かったーーーーー!!!!
私これまでの年月、一体何やってたの?なんで読もうとしなかったのか…。こんなに面白いとは…。
この人今頃何ゆってんの?当たり前じゃん!!
と、言いたいのもご尤もであります。私だってこの本の存在は随分前から、はるか昔から知ってましたけど、そのはるか昔から、手に取っては戻し手に取っては戻し…という事を繰り返し、けどレジに持っていく…というところまでの、決定的な何かがなく、あれよあれよというまに時間が経ってしまい…
と、言うのもですね、何度も何度も同じ事を言うようですが、私はあの〜ほんの最近まで受攻にものすーっごく拘ってBLを読んでいたんです。受攻が自分のタイプじゃないものに、金を出さなかった訳です。しかも私、人から本を借りて読むのが苦手なので、自分が金を出して自分の物にした本じゃないとなかなか本腰入れて読む気にならない。あ、まあそれはあんま関係ないけど、とにかくこれ、受攻がどう考えても、はっきりしなさそうでしょ?読まなくたってパラパラやれば、そして本仁戻さんの特質により、まあたぶんきっと、本気恋愛モノではないだろうと。受攻はっきりしない一話完結型だろうという予測はついていた。なかなかそういうものに金を出そうか、というところまで行かなかったんですよね。気にはなってた。気にはなってたけども…!
んでちなみにどっちかというと、この主人公っぽい人は受がいいなと私は物語も知らないうちから思っていたんですが、なんか攻だったらヤダな、みたいな事もこう…お話を知りもしないうちからそんな事思って、それで結局読む切っ掛けなかったんですよね。
そんな踏ん切りつかない気持ちの私の後を押したのが…ニコさんブログ でありました…。
ニコさんが凄い面白いと書いてたので、そうかそんなに面白いのか、やっぱり面白いのか、そんな面白いもの何年も読んでなかったな私、やっぱ一回通っとくべきじゃないのか、と思えてきて、この間ブクオフ行った時に4巻まであったので、一気に買ってきちゃったという訳です。
そしてさっき読み終わった。
びっくり。もう衝撃的に面白かった。
そんで慌てて5巻を探したのですが、何にそれ以上驚いたかって…ない!!
なんで5巻ないの!!とりあえずネットの本屋は大抵在庫切れでした、4巻まではあるのに5巻がない。どこ行っても!!古本屋で探すしかないのかな…。意外にでっかい本屋なんかにないかな。まあ一回ちょっと落ち着いて、地道に探そうかと思いますが、いや面白かったなあ!!
青猫…ほぼ受でしたね…!初めの方はなんかちょっと攻もしそうな雰囲気がぷんぷんしてたけど、徐々に徐々に、まさしくネコちゃんでしたね。
カッコいい彼氏候補がいっぱいいて、どの相手ともいい感じで…楽しいったらないね…!
総受け状態でしたね、ドキドキハラハラしてそんで切なかったり、楽しかったりして、あ〜面白かった!
超エンターテイメントですね、久々にガッツリ4冊楽しんだ。内容ぎっちりって感じで、物凄く物凄く大満足しました、早く5巻読まなきゃな。落ち着いて探すとかさっき言ったばかり…。
いや待てねえ。もう焦って焦ってしょうがない。6巻はそれで出たんですか、出てないんですか!
私はうーん、鶯と、成長した小林君、どっちも良かったな〜。
成長した小林君が一番カップリング的には好みですが、その後の鶯との話を読んでいたらもう鶯が不憫で、誰が好きかと言われたら、一番鶯が好きです。なので彼に一番の恋人でいて欲しいと思ったり。
けど、蝙蝠さんもいいね…!蝙蝠とやりとりする度にドキドキした。
そんで、最初はかわいい感じで受っぽいからやだなと思ってた蜂王子くんだけど、途中からいつのまにやら攻顔になってきて、そうなると断然彼もいいね!もう誰相手でもステキだね…!!
とっても今更でしょうが、以下ネタバレるかもしれない感想です。
耽美主義 * 本仁戻
面白かったです〜それに何だか懐かしい。
こういうの読むと、作者の方の貫き加減に感服してしまうというか、変わらないところが本当に凄いなって最近思ってしまいます。今だからこその感想ですけどね。新しい作家さんがたくさんいる中、今っぽかったり日常っぽかったりセンシティブなのがたくさんあって、私はそういうものが好きでもあるので専らそういうのを中心に読んでいたりもする中で、こういうのをたまに読むと、何だかハッとするというか、ピリッとわさび舐めさせられたみたいな気持ちになります、でも舐め続けていると甘い、実は内側は甘いんですよね、びっくりな事に。
短編集ですが、凄く面白かったです、本当に何だかいやらしかった。"耽美"って言葉、もう忘れかけているくらい最近"耽美"なマンガなんて読まない気がするし、存在するのかどうかも怪しいんですが、…思い出したよ、この感覚。この退廃的な空気…。本当に最近ではお目に掛かれない、刹那的といおうか、破滅へ向かって真っ逆さまなストーリーと、それを読ませてしまう迫力。
後書き読むと、作家さん自身が自分を特異だと捉えてらっしゃるんだなあと、もしかして今のこのBL界ではなかなかに受け入れられないと、やっぱ思ってらっしゃるのかなあと思ったりもしたんですが…しかし私は、この膨大な量のBLマンガの中、流れの中で、こういうのを描く方が一人二人は絶対居て欲しい。こういう何だかよく分からないけどとにかく高尚そうな迫力が画面から伝わってくる、そういうのを描ける作家さんってだけで、やっぱり凄く貴重な才能じゃないですか。だってオンリーワンなんだから、絶対あって欲しいです、こういうマンガ。何にしろ、この人しかいないという個性を持った作家さんを大事に考えてゆきたい。物凄く応援したい。勿論私に応援されずとも大人気であろうと思いますが。