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37℃ * 杉原理生

気になる。確実にこのイラストのせい。

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…と言っていたのが去年の6月でした。これ記事番号239番なんで相当昔な感じがしますが…今たぶん700手前ですからね。でも私、忘れてはいなかった。これずっと読んでみたかったです。
ぱらっと捲ると、一人称でしかも"私"じゃないですか。なので、これどうだろう、結構勇気いるなあと思ってて、ぱらっと捲っては本棚に戻すという事を、ずーっとやっていて、漸く買ったんです。
で、結果ものすごーく面白かったです。私好きでした。

懐かしいっていうとちょっと違うんだけど、昔こういう小説に凄く憧れていたなあという事を思い出した。大人の男、主人公"私"が、男を好きになると言う事についてじりじり思い悩む姿を延々描いたような小説。もっと若い頃に、こういうのを凄く読みたかったし、好きだった事を思い出して…、最近こういうスタイルの小説ってあんまり見ない気がするんだけど、私が知らないだけで割と存在するんだろうか。
でも、まさに昔好きだったに違いないスタイルを、私はぱらっと捲って、拒否っていた訳ですよね、何故だろうね。読みにくそうだなあって事よね、やっぱもう、簡単にキュンとさせて欲しいみたいなとこもあって、読みやすそうでキュンとしそうな切ない話を求めがちなんですよね。普段読まないようなものが目の前にくると、あーちょっと面倒だなあと思ってしまうんだろうな。勿体無いね。
あと杉原さんは、前読んだ"スローリズム"があんまり…だったので、私きっと合わないんだと勝手に思いこんでいたみたいで、よく考えたらたったの一冊しか読んだ事ないのに、何だか何冊か読んでもダメだった的な苦手意識を持ってしまっていたんですね、それも勿体無いね、もっと読んでみよ。

この本はほんと、イラストの人のこの表紙の雰囲気がもう良さげすぎて、気になるったらなかったですね。実際凄く内容にあったイラストだったなあ。
お話は、主人公の人が、自分の暗ーい内面を、くどくどくどくど語る形式で、ほんと回りくどいんですが…これが良かったんですよね凄く。回りくどいって言っても、不必要な事がたくさん書いてあって、その周りを飾り付けてあるだけのような印象の文章は嫌いなんですね、シンプルで十分な事をわざと遠回りしているだけみたいなのって好きじゃないです、苛々する。でもこのお話で主人公が打ち明ける自分の心と、時間の掛かる恋について、は全く苛々しなかったし、する暇もなく引きずり込まれたよ、きっとこの人の内面にあっという間に同調したんだろうな。
学生の時から30過ぎるまで、相容れない感情をお互いに引き摺って、形も表現の仕方も違うので時間が凄く掛かるんだけど、でもそこにあるのは紛れもなく恋心で、恋心だからこそ、男二人が理解しあえずに苦しむんですよ。長い間苦しみ続けている。もどかしいんだけど、夢中になってこの二人の行く末を追ってしまった。面白かった。

以下ネタばれます。



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Catergory in [novels]杉原理生 comments(0) -
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